第216話 激戦
一方スタンリース国でも戦闘は激化していた。
シールドを破られながらもイージスとパトリックのコンビネーションは見事なものだ。
レオンサポートも素晴らしい。
魔人の消耗も段々増えてくる。
しかし、魔人達は戦闘においての連携はアダマンタイト級冒険者には劣るものの、軍としての連携は確かなもので、消耗した者から後ろに下がらせて回復させる。
そんな地味な連携ではあるが、物量に優っている状況では有効な策と言えた。
元々魔人は再生能力を持つ。
瞬時に治せる様な強力なものでは無いが時間をかければ怪我などは治ってしまうのだ。
その性能も存在値によって変わってくる。
存在値を高めたことによってかなり高性能になっていた。
倒した魔人も油断できない。
時間が経てば復活してしまうかもしれないのだ。
アダマンタイト級冒険者達の消耗が激しくなってくる。
正直今離脱すれば逃げられるかもしれない。
しかしレオンにはそんな考えはなかった。
「後10分……。」
レオンは後10分を稼ぐためにここで切り札を切った。
レオンが集中し体中に魔力を流す。
そうすると彼の手首、肩、頭、腰、足首の防具から飾りのようなパーツが外れる。
そしてそのパーツは空中に浮いた。
そのパーツはリーリスが作ったアーティファクトだ。
そしてそれをレオンの魔力で動かす。
10個のパーツを自由自在に動かすのはゴーレムを自在に動かしていたレオンの空間把握スキルが有ってこそだ。
空間礫と名付けられたレオンの切り札だ。
魔力による刃を作り出したビットは魔人達に襲いかかる。
一つ目のビットでシールドを割り2撃目、3撃目で魔人を切り付ける。
自由に飛び回るビットは魔人達を翻弄した。
しかし、慌てたのも最初だけだった。
この技には明確な欠点が有った。
それは、これをコントロールしている間レオンが殆ど動けないと言うことだ。
魔人がそれに気がつきレオン本人を狙ってきた。
イージス、パトリックもレオンを庇うような位置取りをするが、やはり多勢に無勢だ。
レオンはビットを防御に回す様になる。
魔力の刃を熱線のように射出するビットは防御でもかなり使えるが消耗は激しくなる。
まずイージスが限界を迎えて倒れ落ちる。
するとパトリックも耐えきれずに倒れる。
最後に残ったレオンは。
「30分稼いだぜ……。」
そう言って倒れ落ちた。
そしてその直後……。
彼らを中心に大爆発が起きた。
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