第215話 水影
黒いウエットスーツの様な衣装を身に纏ったスタイルのいい女性。
彼女は上忍の水影だ。
水中呼吸と水流操作のスキルをもち、更に水性生物との意思疎通ができる。
海や川や湖のスペシャリストだ。
彼女は潜水艇の接近を確認すると水流操作を使って水雷を爆発させる。
彼女は優しいので意思疎通を使って近くの魚たちは近づかない様にしていた。
爆発によって生じた激流によって潜水艇はそのスピードを落とすことになる。
水影は潜水艇に水流操作で接近する。
そして中のリーリスに話しかける。
彼女は水中で言葉を届けることが出来る。
水流操作の応用だ。
「止まって引き返してください。」
「えっ、誰?」
「私は我が主人の命によってあなた達を助けに来ました。」
「えーと?」
「この先は何重もの罠が仕掛けてあります。」
「えっ、どうするの?」
「あなた達をルナまで案内します。あそこなら安全です。」
「でもルナの周りの激流はこの船でも越えられないわ。」
実際ルナ周辺にある渦巻は海中にまで影響をしていてそれを避けて航行することは不可能だ。
だが……。
水影は上忍の中でもトップクラスの戦力を持つと言われている。
確かに水中で有れば忍者の中で1番強いのだがそれだけでは無い。
正直覚醒勇者でも敵わない戦力が有るのだ。
それは、先述の水性生物との意思疎通だ。
流石に敵対する巨大水性生物を手懐けることは無理だが、元々友好的な生物なら可能だ。
つまり彼女はルナの水龍と仲が良い。
特に新しく来た水龍には小龍が居た。
と言ってもブランよりは大きく成龍一歩前くらいなのだが。
水影はその小龍ととても仲良くなり、呼べばすぐにきてくれる関係だ。
小龍はまだ成龍で無い為仕事は割り当てられてないため本当に呼べばすぐ来る。
水影はその水龍の子供にシーアと言う名前をつけて一緒に戦うことができる。
それ故海中では覚醒勇者より強いのだ。
当然ルナ周辺の渦巻きも水龍であれば無効化出来る。
「問題ありません。」
水影はシーアを水中振動通信で呼び出す。
「私の名前水影。私の主人はトーレス王国Sランク冒険者リセイススム様です。」
リーリスにそう伝えると、潜水艇をシーアのシールドで囲いルナまで曳航するので有った。
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