第214話 戦力分析
「忍者が侵入出来なかった都市があると……その情報は……成程。」
俺はワルフェアの執務室で情報を精査していた。
「スタンリース国、アダマンタイト級冒険者が作った国か……面白い。」
俺はノートパソコン型のデバイスを操作しながら情報を拾っていく。
「広範囲に張られた結界か……。DHなら行けるか……。」
そして追加情報にも目を通す。
「帝国の動きが有るな。誰も逃がさない様に検問か……。海の中までとは念の入ったことで……
。」
海中に機雷の設置が確認できる。
これは水影からの情報だ。
「よし、DHに侵入させよう。結界は通り抜ける際に気が付かれるかもしれないのでカモフラージュは忘れない様に。」
丁度注意喚起になるしな……。
帝国がここまで念入りに準備していると言うことは秘密兵器のテストだろう。
それは覚醒勇者に対抗出来る戦力が用意出来たと言うことだ。
その実力は是非確認したいところだ。
DHが侵入した三日後、周囲を見張らせていた忍者から報告が入り、ドローンによる映像が流れてきた。
それはある程度予想していた状況だった。
「やはり魔人の身体を利用したと言うことか、しかし、単なる野良魔人と言うわけではなさそうだ。」
一糸乱れずフォーメーションを組んで飛んでいく魔人達に、俺は少し脅威を感じていた。
魔人がフォーメーションを組むと言うのは俺にとっても驚きでは有ったが、帝国の仕業ということが分かっている分だけレオンの様な動揺は無かった。
結界を一撃で破壊できる攻撃力、これは完全に野良魔人の物ではない、かなりの手が加えてあるのだろうが、見た目で変わるものはない。
そこで推測できるのは、「魂の存在値を上げたか……。」
俺はボソッと呟いた。
存在値を上げる方法は俺でも見つけていない。
いや、実は思いつく方法はあるが、俺のスキルでは今の所実行できないし、たとえ出来ても実行するつもりも無い。
だが、帝国が取った手は多分俺の予想から離れていないだろう。
非人道すぎて反吐が出るな。
俺はモニターを見つめながら状況を観察する。
アダマンタイト級冒険者の実力は初めて見たが確かに覚醒勇者級だな。
と言うか覚醒勇者なのだろう。
あのゴーレム兵はザウシウス位になら勝てるだろう。
しかし、あの魔人達は明らかに戦闘の訓練を積んでいる。
倒した魔人も修復して復活するだろう。
魂のストックは多分あるのだから……。
ゴーレム兵の何体かが倒れると一気に戦況は魔人側に傾いていく。
ここで他のアダマンタイト級冒険者達も戦闘に参加したが女が居ないな。
逃したか……。
多分DHの報告に有った潜水艇か?
それで水雷か……。
水中機雷は直前で爆発させる様に水影に指示してある。
そしてそのままトーレス王国の領土まで案内をさせることになっているのだ。
覚醒勇者達は自爆した様に見せかける様にDHに指示してある。
DHなら上手くやってくれるだろう。
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とにー




