第203話 ミナの告白
ミナside
私は今日旦那さまに呼ばれました。
冒険者ギルドカードを持っているのかの確認でした。
家政の中で冒険者ギルドカードを持っているのは私だけだった様で、私はシメリアお嬢様のお世話係として、ルアシーン公都のダンジョンに向かうことになったのです。
シメリアお嬢様は体の弱い方でとても冒険者になる様なお方では有りません。
疑問には思いましたがそれを尋ねるようなことは出来ません。
護衛として騎士のケイン様とナディア様が同行なさるそうです。
お二人は騎士の中でもかなり優秀とお聞きしてますので安心です。
そして遂にその日が来ました。
シメリアお嬢様は前日お薬を飲まれたので普通には歩ける様です。
このお様子も薬を飲んでから一週間位です。
その頃から半月くらいは主に部屋で過ごすことになります。
それからひと月はベッドで過ごしお手洗い程度しか動けなくなります。
それ以降はベッドで寝たきりになり次のお薬が用意されるまでそのままとなります。
薬を飲んだ直後であればそれなりにアクティブに動けるのでその間にダンジョンに行くと言うことでしょう。
何がダンジョンに有るのかは分かりませんが旦那さまがこれ程の戦力を用意するのです。
かなり重要な事なのでしょう。
私達は公都に着きました。
ここのギルドで登録してダンジョンに向かう様です。
ただ……。
お嬢様はいつもとあまり変わらないご様子ですが…。
ケイン様とナディア様の様子がおかしいのです。
ケイン様は女性にはお優しい方ですし、ナディア様は家政にも気さくにお話かけてくれる方だったのですが……。
ここまでくる道中も、ここに着いてからも硬い表情を崩していません。
何か思い詰めている様な、そんな感じに見えます。
準備は恙無く済んで、私たちはダンジョンに入りました。
私はお嬢様を気遣って、ケイン様達の後をついていきます。
それは家政長からも言い渡されていたことで、目的地はケイン様が解っているので黙ってついていく様に指示されていました。
私はお嬢様の手を取ってケイン様たちの後ろを遅れないように着いていきます。
お二人は本当に強くって、魔物をどんどん倒していきます。
正直その後をついて行くのはとても大変でした。
しかし、だんだん様相が変わってきます。
魔物の強さがどんどん上がっていくのです。
先ほどから戦っている魔物は、私では全く歯が立たない魔物です。
しかし、ケイン様達はこちらを全く気遣ってくれません。
お嬢様も大分疲れてきて私は休憩を申し出ようとした時でした……。
突然草むらから魔物が私達に向かってきたのです。
50センチはあろうかと言うその口からギザギザの歯が目の前に迫ったのが、私が見た最後の映像でした。
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いくつかのキャラを同時に書こうかと思ったのですがミナだけで終わりました。
明日は騎士sideです。
とにー




