第195話 お城
ミーリアside
ススムさんから衝撃の自己紹介を受けたあと唖然としていた私は促されるままに宿に泊まった。
いつもは煩い父があまりに大人しい事にも正直気にならなかった。
案内してくれたブルーノ元侯爵からススムさんについて簡単な説明を受けた。
ルアシーンを取り戻したのもススムさんのおかげらしい。
そして今回クロウスブルグを攻略できたのもススムさんから戦力を借りたからだそうだ。
トーレス王国のSランク冒険者って凄いなって言うより、私は彼の名乗ったフルネームの方が気になっていた。
リセイススムって先輩と同姓同名?
そんなことある?
しかもこの世界にしては珍しい名前。
まぁ先輩の名前は日本でも珍しかったけど……。
そんなことを悩んでいたのだけれど、ベッドに入った私は色々あった為疲れていたのかすぐに眠りについてしまった。
ススムが、何故リセイススムと名乗ったのかの意味も考えず……。
次の日の朝。
すでに日は高く上がって地球時間で言えば10時は回っているだろうそろそろお昼と言えるような時間に私は起きた。
今日は面会の約束は有るがお昼過ぎからと言うことになっている。
私は宿で遅い朝食を食べる。
宿屋はとても快適でレベルの高い物だとわかる。
私たちの街とは全く違った。
父が文句を言わないか事案だったけど借りてきた猫みたいに大人しいのは逆に不気味だった。
時間になったので領主館に向かう。
しかし、すでに近づいている状況でも分かってしまう。
昨日とは様相が変わっていることが……。
昨日は確かに領主館だった場所がお城になっている……。
私は訳が分からなかった。
門に門番が居たので恐る恐る聞いてみると、聞いていましたよと中に通してくれた。
門をくぐると案内の人がいて中を案内してくれる。
中は装飾はあまり無いが設備そのものはお金がかかっている様だ。
何と案内された先はエレベーターだった。
この世界でも進んでいる場所にはエレベーターとか有るんだ……。
私は見たことなかったけど……。
後から聞くとダンジョンとかには結構有るらしい。
ただ動かすのに膨大な魔素が必要で魔素濃度の高いダンジョンならそこまででは無いが地上ではコストがかかり過ぎるため普通の建物には殆ど無いそうだ。
エレベーターを降りると城の執務室に通された。
中に入るとそこにはススムさんが1人でいた。
「ようこそミーリアさん。」
「こんにちは、ススムさん。一体ここは?」
「それを答える前に一つ聞きたいことが有る。」
「何でしょう?」
「君は異世界転生者だね?」
いきなりのど直球に私は息を飲んだ。
でも、そこで黙ってしまったことは肯定している事と変わらないことまで頭が回らなかった。
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