第193話 そこに有る戦争
ミーリアside
ドキドキして名乗るのが遅くなっちゃった。
名前を名乗ってお礼を言った。
何だか緊張して言葉が硬くなったけど変に思われなかったかしら。
私が名乗るとイケメンはススムと名乗った。
名前まで先輩と同じだ。
偶然って有るんだね。
ススムさんはどうやらアイテムボックスのスキルを持ってるみたい。
でも、生きてる人ってアイテムボックスに入れられるのかしら?
私が父の無事を尋ねたら父をアイテムボックスから出してくれた。
父がぼーっとしてるのでススムさんが助けてくれたと紹介した。
でもススムさんはどうやら冒険者っぽいのよね。
父が失礼なこと言わないかしら。
でも心配は杞憂だった。
父は礼儀正しくススムさんにお礼を言った。
でもその豹変っぷりに私は驚愕した。
なんかちょっと前までとは全然違う。
一体どうしたのかしら?
死にかけて人生観が変わったとか?
ははっ、まさかね。
私達の目的地を話すとススムさんもクロウスブルグに向かっていて一緒に行こうと言ってくれた。
私は即答で了解したよ。
歩いていけば会話もできるし仲良くなれるかも。
そんな事も思ったけれども……。
ススムさんはアイテムボックスから大きな物を出した。
これって……。
ランド○ルーザーとか言わなかったっけ?
えっ、何で?
促されるままに私は車に乗った。
オーディオから流れてくるのは懐かしいアニソン。
アニソン……!?
どう言うこと?
私がこの世界に来てから20年。
15年は記憶がなかったけれども。
20年前のアニソンがカーオーディオから流れて来るんだけど……。
私は混乱の極みにいた。
そうこうしている間に車はクロウスブルグに着いた。
車だと三十分くらいなのね……。
道は良くないけど信号も渋滞も無いからなぁ。
クロウスブルグに着くと目立つのは入り口に有るここを攻めたと思える軍隊の姿だ。
軍隊?
軍隊……?
あれ、映画で見たことあるよ……。
富士の火力演習も先輩に誘われて行ったっけ。
2人っきりじゃなかったけど。
色々解説してくれたから結構覚えたなぁ。
ヒトマル式戦車と装甲戦闘車、アパッチ攻撃ヘリまである。
あれ、私日本に戻ってきちゃった?
でも。
驚くのはまだ早かった。
その後のススムさんの自己紹介を聞いて……。
私は戻ってこなかった。
「俺はトーレス王国のSランク冒険者。リセイススムだ。」
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次回ススムのターンに戻ります。
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とにー




