第190話 転生したら
ミーリアside
私は公爵家の長女として生まれました。
母は体があまり強くなかった様で私の次に生まれてくる子は居ませんでした。
母は私が8歳の時に病気で亡くなりました。
元々体が弱かったので仕方が有りません。
ただその頃から父がおかしくなりました。元々尊大な人では有ったのですが、それなりに皇家に忠誠は有った人だったのですが……。
突然皇家の陰口を言う様になりました。
仕舞いには母が死んだのも皇家の責任だと言う様になりました。
そしてメイドの一人を優遇仕出しました。
そのメイドもそれまではとても優しいメイドだったのが急に豹変して父を誘惑して、私に冷たくなって行ったのです。
後で分かったのですが彼女は帝国の工作員だった様です。
父の態度はどんどん悪化していって、遂には皇国を裏切ってしまいました。
まだ10才だった私にはどうすることも出来ません。
報告では王家の方々はみなさん処刑されてしまったそうです。
何度かお会いした王様夫妻や私と同い年だった皇太子、妹の様に可愛がった長女と次女の皇女様。
皆さん優しかったし良い子だったのですが……。
ただ第二皇女のミーリシアだけは行方不明ということでした。
どこかで無事でいると良いのですが。
父は私に「これでお前が皇女だぞ。」と言っていましたが私がそんな物いらなかったのですが。
そしてその後、父は小さな街の代官となりました。
いきなり王族に取って代わると周りからの軋轢が激しいと説明されてです。
メイドは我が物顔で我が家を仕切っています。
父は何も言いません。
私には少し我慢しろと言ってきましたが、その頃になると私も大分物事が解ってきました。
どうやら父は騙された様です。
初めから父に権力を渡す予定などなかったのでしょう。
ドーステン滅亡からそろそろ5年の月日が流れます。
一応小さな街でも代官です。
特に不満も無く暮らせています。
そんな暮らしも良いのかなと思っていた時でした。
私の15歳の誕生日。
突然記憶が蘇ったのです。
私は……。
異世界転生者だったのです。
私の前世の名前は藤崎茜。
大卒3年目の25歳。
かなりブラック気味の商社勤でした。
ちょうどその日は憧れの先輩の30歳の誕生日。
渋谷のクラブで誕生会を開くと言うので急いで仕事を終わらせて向かっている所でした。
点滅している横断歩道を走って渡ろうとした時に居眠りをしていたトラックに轢かれてしまったのです。
その時なんか不思議な部屋に自分は居て、そしてそこに居た神様が言いました。
たまたま近くで異世界転移の魔法陣が開かれて私の魂がそこに引っかかったそうです。
そしてその世界で死産に終わるはずだった体があるのでそこになら移してくれると。
私は異世界転生には少し憧れていた中二病患者だったので二つ返事で了解しました。
何だかチート能力もくれるみたいです。
ただし記憶を取り戻すのは魔法陣の仕様で15歳からだと聞かされました。
仕方がありません。
そしてその日が来たのです。
ミーリア15年の記憶も残っています。
その時私は思いました。
『異世界転生したら没落元公爵家の令嬢だったので気ままに暮らしていこうとおもいます。』始まったと。
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別タイトルが始まった訳では有りません。
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とにー




