第19話 お姫様
ススムは状況確認の為にバイクを減速してドローンを飛ばしていた
森で使ったのとは違う小型で高速な物だ
ドローンのカメラが捉える
馬車を囲む8人の黒ずくめの者たち
ススムは馬車に書かれている紋章を確認する
『王国内の主要な貴族では無いな』
ススムはこの世界に来た時に一晩かけて地域の資料を読み漁っていた
その時にある程度の情報は頭に入れていたのだ
『有りえないが勿論帝国のものでも無い……しかし、見た事がある……確かリブ王国の紋章か』
友好国であったリブ王国
しかし資料には帝国と同盟締結が近いことも書かれていた
リブ王国の紋章を付けた馬車が襲われている
ちょっと状況は読みづらいが……リブ王国内でも割れていると資料にあった
トーレス王国に親しい派閥が王都に逃げてきてそれを他派閥もしくは帝国側が襲っていると考えるのがしっくりくるか
俺はバイクのアクセルを回しスピードを一気に上げる
「取り敢えず怪しい方を叩く」
そして馬車を襲ってる者達のところに突っ込んだ
『多分、こっちが敵だ』
俺は2人ほど弾き飛ばしそのまま賊と馬車の間に入り込む
そして、両手にハンドガン
やはり、この状況で対人で制圧するのはこれが1番だろう
M19コンバットマグナムを片手で撃つ
体当たりの時に彼らがシールドを張っているのが分かった
小型の銃では役に立たないだろう
これなら低レベルのシールドなど破壊できるだろう
4人ほどシールドさら持っていく
8人居たがまともに動けるのはあと2人だ
そこで俺は剣を抜く
残り2人は実力者の様だ
そう言う手合いの場合には剣や魔法の方が対応しやすい
そして剣を構えながら魔力を練った
「撤退だ」
リーダーらしき男が言うと倒れていた者達も起き上がって脱兎の如く逃げ出した
俺はそれを構えながら見逃す
コンバットマグナムでも致命傷を与えられない相手だ
無理をする必要は無い
俺は「ふぅ」吐息を吐くと馬車に向かって声をかける
「終わったぞ」
すると馬車の扉が開く
シールドは張ってままだ
中から武装した女性が出てくる
ブロンドの肩までの髪の毛で凛とした顔つきだ
「ご助力感謝します」
女性が頭を下げる
謝礼が先なのは好感が持てるな……
「俺はトーレス王国のCランク冒険者、ススムだ。王都に向かう途中たまたま通りかかった」
「私はリブ王国の騎士モーリアです」
女性がそう言った時、馬車からもう1人の少女が降りてきた
「お助けいただきありがとうございます。私はリブ王国第3王女システィーナ・リブと申します」
ほぼ予想通りの状況だ。
俺は特に驚くこともせず尋ねる
「リブ王国の王女様がトーレス国の王都にどんな御用事で?」
俺の反応に少し怪訝な表情を見せながら王女が答える
「ススム様はご存じと見受けますが昨今の状況で、我が派閥のご助力をお願いしたいと王都に伺うところです。」
腹芸は通じないと感じたのか直球で言ってくる
当然Cランク冒険者が騎士爵扱いなことも知っているのだろう
「そうか、よければ俺が案内しよう。俺の車でいいか?」
俺は不躾に答えるのだった。
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自分ミリオタでは無いので銃の種類とか詳しくないです
少しプロットから外れて梃入れすると大変です
とにー




