第172話 魔人王の死
今回の事について王都に連絡した。
特に問題となるのはアーティファクトの件だ。
範囲が100メートルになる様に改良されていた。
これをどう判断するかは若干難しい。
逃げた盗賊はすでに捕まえた。
捕まえたのは霧影だ。
普通に捕えれば自害するのは目に見えていたので霧影の霧で包んで自害した後にデバイスによって生き返らせた。
こうなって仕舞えばもうこいつは俺の言いなりなので知ってることは全て吐かせた。
ただ知っていることはそんなに多く無かった。
こいつは遠見のスキルを持っていて俺とか召喚勇者の顔は覚えていた様だ。
もし俺が来たらアーティファクトは回収して逃げる手筈だったのだ。
俺にはアーティファクトは効かないことは分かっているだろうからな。
他のCランク冒険者が来たのでアーティファクトを起動させようとしたのだが起動しなかったので回収しようとしたら物が存在しなかったので逃げたと言うわけだ。
状況は分かったが知りたいのはそこでは無いのだが残念ながら知りたいことはほとんど知らなかった。
唯一重要だと言えるのはアーティファクトに関してでとても貴重な物だから必ず持ち帰る様に厳命されていたと言うことだ。
そこから察するにアーティファクト自体の量産は出来ていないのだろうと言うことが推測される。
確定情報では無いので安心は出来ないが朗報であることは間違いない。
とは言え用心するに越したことはない。
忍者をさらに雇ってトーレス国内にも散らばせた。
秘密裏にやるとCランク冒険者には気がつかれてしまう可能性が有るので、Sランク冒険者の権限でそれ自体をCランク冒険者以上には周知させた。
Cランク冒険者自身が籠絡されることはないがその側にいる人物がされる可能性も視野に入れている。
調べておくことは無駄にはならないだろう。
少し調べたところ成功はしていない様だがいくつかの接触が見つかった。
逆を言えば帝国もかなり焦っているのだろう。
戦線が膠着して一年近く立つ上に足元に火種を抱えている状況だ。
まぁこちらもそこまで余裕が有るわけでは無い。
先ほど魔人王の死亡が確認された。
魔人王が死亡した場合、破壊の衝動はリセットされる。
つまりカウントが0になる。
そうするとここからは破壊の衝動によって現れる魔人の平民は極端に減る。
多分半年くらいは殆ど現れる事は無いだろう。
そしてそこからは制御されない限り魔人兵が攻めてくる事になる。
これがもし野心を持った魔人が王になった場合、魔人兵は破壊の衝動に侵されていなくても攻めてくることになる。
そうなる前に色々手を尽くす事になるだろう。
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