第165話 ゴブリンと変わらない
「かっかー、アタイ人なんか殺したことないんだけどー。」
「なーにカミちゃん、ゴブリンとたいして変わらないよー。」
泣きつくカミーユを春花が慰める。
その横で不安そうに見つめるシーラ。
「ほらほら、シーラちゃんが困ってるだろ。それに急がないと村も心配だ。早く行ってあげろ。これ貸してやるから。春花運転出来るな?」
「任せて、練習したから。」
俺は軽のRV車を出す。
女の子ならこっちの方が似合うだろ。
普段春花はこの車で練習してるし。
「わーいありがとうススムお兄ちゃん。」
ちなみにイヴにも車をあげた。
こっちは真っ赤なGT3だけれど。
春花に白い目で見られたっけ。
シーラちゃんがあんまり心配そうにしてるので俺は言ってやる。
「大丈夫だシーラ。こう見えても彼女はCランク冒険者だからな。」
冒険者証を見せると目を白黒させていた。
「でも他領ですわよね、介入して大丈夫なのでしょうか?」
側で聞いていた琴子が疑問を呈するが俺は
「盗賊退治はCランク冒険者の命題だ。問題ない。」
普通に討伐部隊とか出すと問題だがな。
「それにちょっと気になる部分も有るのでな。」
カミーユ達は車に乗ってホーン村に向かった。
ホーン村まで100キロほど有るが3時間も掛からず着くだろう。
春花には安全運転する様に言う。
お前たちは良くてもシーラちゃんが大変なことになるからな。
そして俺は3人を見送った後、影を呼んだ。
そして幾つかの指令を出した。
3人は何事もなく領地境まで到着した。
これを越えればホーンの村で有る。
ススムの領地内では盗賊など出てこない。
それは当然だった。
「でも不思議だねいくら郡境を超えるからってわざわざこんな場所の村を襲って、すぐ逃げるならまだしも脅迫して、シーラちゃんを逃すなんて……。」
春花が疑問を呈するがカミーユは、
「まぁ、やっちゃえば良いんだよね?」
最初はビビってたカミーユも段々覚悟が定まってきたようだ。
「ここからは降りて歩くよー。」
春花はが指示して2人をおろした後車をアイテムボックスカードに入れる。
これは自分で入れた物は出すことができる特別製だ。
ここからは村まで歩いて三十分ほど。
春花はシーラを背負うとカミーユと一緒に高速で移動したので五分ほどで村が見えてきた。
シーラが村を出てから二日経っている村は襲撃された様子は無かった。
村は柵で囲まれて居るので、門に行って門番に話しかける。
シーラはそこで助けに来てくれたとカミーユと春花を紹介するが門番が疑いの目を向けるので冒険者カードを見せる。
ただ門番はあまり詳しくなかったので半信半疑だったが、シーラが貴族様だからと言うと怯えて中に通された。
そして3人は村長の家に通された。
ーーーーーーー
911 GT3良いよね。
少しでも面白いと思われましたらモチベーションにもなりますのでブクマ評価をよろしくお願いします。
とにー




