第164話 トーレス王国の盗賊事情
トーレス王国では大きな盗賊団と言うものはほとんどない。
Cランク冒険者が出張れば何百人いようと壊滅させられてしまうからだ。
よくファンタジーだと盗賊団側にも強者が居たりするが制約があるため覚醒勇者が国側と対立することは無いのでそんなことは有りえない。
しかもこの国では荒くれ者でも冒険者を目指せば大抵どうにかなってしまう。
冒険者の地位が高いと言うのはそう言うことだ。
ただそんなトーレス王国でも悪事に手を染めるやつはやっぱりいる。
盗賊となって村や町を襲ったり街道で通行人を襲ったりするのだ。
ただそいつらはCランク冒険者の動向にはとても気を使う。
Cランク冒険者は正義の味方では無いが国家の敵には容赦しない。
国家の敵である盗賊は殲滅の対象になるのだ。
それ故Cランク冒険者の居る街の近くでは仕事はしない。
ただCランク冒険者は数が多いわけでは無いのでカバー出来ない場所ではやはり活動があるのであった。
ちなみに俺が支配している領地だが、ワルフェアを中心にノグルー郡と言われる地域になる。
Sランクになるに当たってもっと広い領地を次俊されたが、丁重にお断りした。
まぁルアシーンとドーステンを貰った様な物だからな。
そっちの管理が忙しいのにこれ以上はまだ要らない。
逆に言うとルアシーンとかは普通に盗賊団とか居るから。
花栄とスペーディアをたまに動かして殲滅してるけど……。
そして、ある日。
ワルフェアの門に1人の少女が辿り着いた。
歳は13歳。
一人旅をするには少し若いが、冒険者登録も可能な年齢だ。
実際彼女はHランクの冒険者カードを持っていた。
ただ異様なのは彼女の風体だ。
体のあちらこちらに傷が有り、痩せ細って疲れ果てている様だった。
彼女は門番にギルドカードを見せるとそのまま眠る様に倒れ落ちた。
どうやら気絶している様だ。
当然その報告は俺の所に入る。
俺はその少女をアイテムボックスに入れて領主館まで連れてきた。
アイテムボックスに入れたことによって彼女の怪我は治るのだが、それ以外に彼女の事情も解ってしまう。
彼女の名前はシーラ。
隣のクース郡の国境沿いの村、ホーン村の住人だ。
どうやら今ホーン村は盗賊に狙われているらしい。
郡都まで支援を呼びにいった大人は悉く捕まって殺されたそうだ。
そこで残った者で唯一スキルがあって冒険者カードを持っている自分が逆の方向でもあるこちらに助けを呼びに来たと言うわけである。
中々泣かせてくれるぜ。
俺はシーラを呼び出して寝ている彼女を起こす。
起きた彼女は周りの様子を不思議に思っている様だが俺に気がつくと
「どなたかは知りませんが村が大変なんです。」
と言った。
「分かっているよ。今からこのお姉さんが助けに行ってくれるから。」
そう言って俺はカミーユを指差した。
「えっうち?」
唖然とするカミーユに俺は。
「お前戦争参加してないだろ。このお嬢さん助けてあげなさい。あ、敵は出来るだけ殺してくる様に。一応サポートに春花つけてやるから。ただし殲滅はカミーユ1人でやる様に。後これ渡しとく。」
俺が渡したのはカミーユのCランク冒険者カードだ。
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とにー




