第163話 春花
スペーディアが現れて、成長した勇者がいる。
それは春花だ。
春花は今まで剣術という部分では伸び悩んでいた。
それは彼女のスキルの所為でもある。
今まで彼女は剣の訓練をミスリルソードや木剣で俺やDH相手にやっていた。
ただそれだとライトソードのバフがかかった状態の訓練ができない。
外から似たようなバフを掛けることは出来るがライトソードのバフは本人のチートスキルのバフなので本人に1番都合の良い様に調整されている。
感覚がどうしても違うそうだ。
基本直感とセンスで動いている春花だから余計にそう思うのだろう。
しかし、ライトソードを出したまま彼女と打ち合えるものなど今までは居なかった。
彼女の剣は全ての物を切り裂いてしまうから当然だ。
魔物相手でも当たれば切り裂いてしまう。
最下層の魔物相手ならそれなりに苦戦するがそれで磨けるのは剣術ではなく戦法だ。
これから対人で優れた剣士とか現れた場合拙いことになる可能性もある。
もうじき魔人との戦いがあるかもしれないから余計にだ。
しかし、そこで現れたのはスペーディアだ。
彼女のスキル剣女神の権能の一つイモータルソードの効果で彼女の持つ剣は破損することは一切ないのだ。
矛盾と言う言葉があるが結局はその力関係が影響する。
世界が違えば結果は違うものになるのだ。
難しい話は置いておいて、ともかくスペーディアの登場は春花に取っては恵の雨だった。
春花はスペーディアと打ち合うことによって光の剣を出したままの訓練が出来ることとなった。
さらに言えばスペーディアの剣技はスキルで言えば10レベル相当。
それと打ち合う事で春花の剣技は順調に磨かれっていった。
「いやぁスペちゃん凄いねぇ。今日も何回剣を当てられたか解らないよ。」
「春花さんもセンスが良いです。どんどん剣筋がよくなってきてますよ。」
「スペちゃんの剣筋を真似てるだけだけどね。」
「軽く打っているとはいえ私の剣筋が見えるだけでも素晴らしいです。まだ剣を握って一年と言った所でしょう。私は千年以上剣を振ってますから。」
「スペちゃんに近づける様に頑張るよ。それじゃぁ再開しようか。」
訓練を再開する2人。
春花は思ったより負けず嫌いの様だった。
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