第160話 情報報告
「じゃ、報告を頼む。」
俺は領主館の執務室に女の子を招いて尋ねる。
「はい。ターゲットはススム様の予想通り次の日には再度1人で来店しました。」
「そうか。それで何か掴めたか?」
「ターゲットは楽しく飲んでは居ましたが、料金に関しては少し気にしていました。」
「ふむそれで?」
「こちらから何回も来てお金の方は大丈夫?と尋ねると、いざとなったら仕事の報酬が貰えるから大丈夫だと言ってました。」
「なるほど。」
俺は合槌を打ちながら考える。
仕事……と言うのは冒険者の狩りの事では無いな。
彼がスキルによって記憶を呼び戻したミッションだろう。
それはおそらく情報収集だろう。そして彼は既に報酬が貰えると言ったということはミッションのクリア条件を満たしていると言うことだ。
帝国の欲しい情報など考えればすぐに分かる。
俺の所在かクスーラゥの所在か覚醒勇者の有無だろう。
俺の事には気付くわけがないので、クスーラゥのことなのは確定だ。
クスーラゥの情報を出したのはわざとだが思ったより狩りの収入が良くって連絡が後回しになっていたからな。
お金の使い方と言ったらやはり飲む、打つ、買うだろう。
取り敢えず全部教えれば散財して情報報告の報酬を必要とするだろうと踏んだが正解だったな。
「ご苦労だった。あとは好きにしても大丈夫だ。」
「じゃぁグロッグさん落としても良いですか?」
マテアちゃんが言う。
「ああ、構わんよ。何だ本当に気に入ったんだ?。」
「はい、私平凡そうな男が好みなんですよ。でもあのお店に来る様なお客様は平凡な方は居なくって。」
「ジロンとかどうなんだ?」
「あれは無駄に自信があって駄目です。低脳な上に自信なさげじゃ無いと……。」
「そうか、じゃぁ俺なんか全く好みと真逆だな。」
「そうですね。でもアンバランスより良いです。ススム様は有能であってそれに見合った自信がありますからね。嫌いじゃないですよ。」
「それはどうも。」
俺は礼を言った後忍者に連絡する。
グロッグの動向に注意をしろと。
まぁ連絡などしなくても一挙一動に注意を払っている筈だが。
そして思った通りグレッグは街の外に出た。
そして少し歩くと街の城壁の資格になる場所に何やら手紙の様な物を埋めた。
俺はその報告を受けた後その手紙を取りに来た男を捕縛した。
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