第157話 カジノにて
「グロッグは賭け事は好きかい?」
ギルドハウスを出た時にスーさんは尋ねてきた。
「何だい?藪から棒に。」
俺が逆に聞くと。
「いや、お店が開くにはまだ少し時間が有ると思ってな。」
「確かにまだ日は高いが……。」
ギルド併設の酒場など昼間から空いてると思ったが……そう言えばこのギルドには酒場は併設されていないな。
そんなことを思っている俺にスーさんが教えてくれる。
「ワルフェアの街は冒険者の品位向上を謳っててな、酒場街は少し離れた場所にあるんだ。その代わり酒場街にはいろんな店がある。酒が美味しい店、食事が美味しい店、安くていっぱい飲める店、そしてお姉ちゃんが綺麗な店などだ。」
なるほど、お姉ちゃんが綺麗な店には興味があるが、そう言う店はお高いことが多い。
流石にそれは無いよなと思っていたのだけど、取り敢えず先程の質問に答える。
「ギャンブルはあまりやったことないが、興味はあるな。」
「それじゃぁちょっとカジノでも行ってみるか。」
スーさんはギルドの駐車場に置いてある乗り物に乗り込む。
いや、駐車場ってこれ一台しか無いよな?
実質専用なのか?
俺は促されて車に乗り込んだ。
乗り物は少し走ると現地に着いた。
スーさんは入り口に乗り物を着けると降りて建物に入っていく。
俺はそれに続いて建物に入って行った。
スーさんが建物の中に入ると店員のお姉さんが近づいてきてカジノで賭けるコインを持ってきてくれる。
スーさんはそれを受け取ると俺に渡してくれた。
「初心者ならルーレットかスロットと言ったところか……そこのお嬢ちゃん、彼に説明してあげて。」
スーさんはその従業員さんを捕まえてその様に言った。
そして俺に。
「女の子に説明してもらった方が良いだろう。俺は麻雀打ってくるのでまた後でな。」
そう言って奥の部屋に行ってしまった。
「どちらの遊具に興味がありますか?」
お姉さんが俺に聞いてくる。
「ええええっと、初めてなんですけど、どっどっどれが良いですか?」
女の子に顔を見て話しかけられたのなんて記憶に無いのでつい吃ってしまう。
しかし、その従業員の女の子は教育が行き届いているのだろう笑顔でルーレットに案内してくれた。
「スロットは正直何も考えなくても出来るのですが勝とうと思ったら技術が必要ですしただ回しているだけだと飽きてしまうかもしれません。それより賭ける金額が決められて、戦略が分かりやすいルーレットの方が初心者には向いてると思います。」
そう言って賭け方を丁寧に教えてくれた。
小心者の俺は黒赤に3枚づつ掛けるのだった。
それでも当たり外れに一喜一憂した。
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その頃のススム
「その9筒ロン!九蓮宝燈。4万8千。」
「ぐはー、飛んだー。」
ジロンをまた飛ばしていた。
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とにー




