第156話 情報収集
このパーティは基本不定期になると聞かされた。
取り敢えず三日間狩りにダンジョンに入った。
三日間の稼ぎは4金貨5小金貨となった。
これは今までの俺の1ヶ月の稼ぎなんだけど。
三日で稼いじゃったよ。
ただしワルフェアの物価は少し高い。
食事とか外食すると2銀貨3銀貨は当たり前だ。
かと思うと、安いお店もある。
安い食事も普通に美味しいのだが、お金があったので少しお高めの店に入ってみたら提供されたものはほっぺたが落ちるほど美味かった。
パールにこの街を気に入ったので色々な事を知りたいと言ってみた。
流石に情報収集がしたいとは聞けなかったからだ。
すると。
「冒険者の街ですから冒険者に聞くのが1番かと。休みの日もギルドハウスに顔を出してみたら如何ですか?」
と、言われたのでお勧め通り冒険者ギルドに来てみたが、コミュ障の俺が知らない人に話しかけられる訳もなく。それでも部屋の隅で耳を傾けていれば、それなりに情報は入ってくるのであながち間違ってはいないなと感じていた。
ただこんな地味な俺もパーティ加入の件で少し顔が売れたのだろう、俺について何やらヒソヒソ話している声も聞こえる。
流石に声を掛けて来るものはいないだろう。
そう思っていたのだが、俺に話しかけてくる者が現れた。
「お兄さんだね、姫達のパーティに参加している男って言うのは?」
何やらやたらと格好良い男が話しかけてきた。
ただヒソヒソしておる男達と違うのは嫉妬みたいなものは感じられない。
興味深そうに見ているだけだ。
「姫と言うのはミーリスさんやクスーラゥさんの事ですか?」
「そうそう。知ってる?彼女達今まで男と組んだことなんて無かったんだぜ。」
「そうなんですか?」
「だからあんたには何かあるんじゃ無いかと思って話しかけた訳よ。あぁ、名乗るのを忘れてたな。俺の事は遊び人のスーさんと呼んでくれ。ここではそれで通るからな。」
とても気安い上にふざけた奴だ……そんな通り名みたいなのでここで通るのか?
俺は警戒心を上げた。
しかし周りからは。
「あれは遊び人のスーさんだ、噂の男と話してるぞ。」
「スーさんでもあの男は気になるんだな。」
「キャー、スーさんよ。サイン貰ってこようかしら。」
「スーさんと平凡男、どっちが受けかしら?」
なんか最後に怪しい声も聞こえたけど、どうやらこの男も有名人の様だ。
このスーさんからも情報は得られるのかもな。
そう思った時にスーさんは魅惑的な提案をしてきた。
「どうだい、お近づきの印に、一杯奢るから飲みに行かないかい?」
それは願ったり叶ったりだ。俺は即座に了解した。
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とにー




