第141話 宣言
それは遂に始まった。
告知は済んでいるので占領済みの街ではモニターの前にたくさんの民衆が集まっている。
設置済みのモニターの画面に電源が入る。
そこに映し出されるのはアップのクスーラゥだ。
そして先日撮った録画が映し出された。
クスーラゥの宣言後
流れるのはクスーラゥの生い立ちを示したアニメーションだ。
少し前から計画していたアニメーション作成計画の第一弾がこれになった。
アニメーター、イラストレーター、動画作成者はオンラインショップで購入、CGやAIも駆使している。
サースラゥ役とクスーラゥの幼少期から今までの声はイヴの兼ね役だ。
さすがイヴだけあって完璧に演じ分けている。
養母役は春花がやっている。
ちなみに俺は俺役で声を当てている。
シナリオはほぼ史実通りだがクスーラゥがちょっと美化されている。
子供の頃から復興を願っていたとかだ。
本当は成人してからのクスーラゥの声は本人に当てて貰う話もあったがやっぱり無理だった。
しかし、イヴがクスーラゥの声色を真似ているので全く問題が無かった。
中々感動的な内容になったので民衆は物語に見入っている。
そして話が終わった後、次に出てきたのはグランデンだ。
グランデンがクスーラゥに忠誠を誓う姿が画面に映し出される。
そしてその次は俺の出番だ。
俺が後見人として挨拶する。
後見人としてグランデンを推す案もあったがグランデンの一家臣で有りたいとの思いと、俺がSランク冒険者となり後見人として表に出ることが問題なくなった事もあって俺が後見人となった。
「トーレス王国Sランク冒険者、特務大臣のススム・リセイだ。今回クスーラゥ・ルアシーンの後継人となった。」
「皆さんもクスーラゥ女王と一緒に国を盛り上げて欲しい。国防に関しては俺がある程度までは助力しよう。」
特命係と言い損なったのはちょっとしたお茶目だ。
大変な盛り上がりの中1時間ほどで放送は終了した。
街はお祭り騒ぎだ。
クスーラゥの名を叫ぶ声が響き渡った。
帝国side
各主要な街と帝都に突然大きなモニターが現れた。
民衆は何事かと集まってくる。
衛兵達は危険が無いかを確認しているが突然巨大な建造物が現れたことには混乱が激しい様だ。
そうしていると突然モニターに映像が映る。
ルアシーンの街で流れる物と同じものだ。
物珍しいアニメーションの映像に民衆は見入っているが内容的には帝国にとってはあまり面白い物ではない。
ほとんどの街では何も対応できないままに放送は終わってしまったが中には撤去を試みた街もあった。が、当然撤去どころか妨害することすらできなかった。
ルアシーンの後継者が現れた事に帝国は騒然としていた。
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