第140話 演技指導
「私はクスーラゥ・ルアシーン。ルアシーン第三王妃サースラゥ・ルアシーンの娘でしっ……。」
「カット、カット!」
「クスーラゥ様、もっと威厳を持って話してください。」
ディレクターからダメ出しが出る。
あれから何度か練習したのだが緊張からかクスーラゥはまともに喋れない。
なので、録画で行こうと言う話になったのだが……既に17テイクだ。
「クスーラゥさん落ち着いて。」
周りにはミーリスと一緒にイヴと春花もついている。
「イヴ、ちょっとお手本を見せてやって。」
俺がイヴにお願いする。
イヴは王女役とかもやってるから上手いだろう。
「解ったわ。」
そう言ってイヴはマイクの前に立つ。
「私はルアシーン公国第三王妃サースラゥ・ルアシーンの娘、クスーラゥ・ルアシーンです。今日はここに、ルアシーン公国の復国を宣言します。」
さすがイヴだ。一流プロだけのことはある。
威厳もバッチリだ。
「イヴさん、凄い。もうイヴさんが女王で良いんじゃないかな?」
疲れの所為でクスーラゥが壊れかかっている。
素人のクスーラゥに17テイクはキツかったか。
「いっそアテレコとか。」
春花が余計なことを言い出した。
それは最終手段だよ……。
「そう言えば台詞も少しアドリブ入ってたな。」
「うん、国名を先に言った方がみんなには響くんじゃないかな?それに言い慣れている自分の名前を間に挟む方が台詞が繋げやすいよ。」
「確かにな。それで行こう。」
さすが喋る事に関してはプロだ。
色々参考になる。
「取り敢えず今日はここまでにしよう。続きは明日で。」
既に準備は万端で後はこのテープ待ちだが焦る必要はない。
最終手段はあまり使いたくないのでクスーラゥにはしっかりして欲しいものだ。
次の日
「私はルアシーン公国第三王妃サースラゥ・ルアシーンの娘、クスーラゥ・ルアシーンです。」「今日はここに、ルアシーン公国の復国を宣言します。」
クスーラゥは立派に言い切った。
「OK!」
ディレクターからもOKが出る。
どうやら昨晩クスーラゥはイヴを訪ねて練習をした様だ。
「クスーラゥさんおめでとう。」
イヴが祝福する。
「有難う、イヴさんのお陰だよ。」
2人が仲良くなってくれるのは俺も嬉しいしクスーラゥが少しは向上心を持ってくれたのも良いことだと思ったのであった。
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とにー




