第136話 都市籠絡
更に2週間が経過してゴードルの街の奪取に成功した。
どうやら帝国側で方針転換があった様だ。
ルアシーンに関してはこれ以上進軍がなければ静観する方向に舵が切られたと思われる。
これに関しては予想されていた事だ。
帝国の目的はあくまでトーレス王国であってルアシーン公国では無い。
ルアシーン公国を陥落させたのはトーレス王国までのルートの確保と戦えるための戦力増強の為だ。
既に両方叶っている以上ルアシーン公国に固執する必要はない。
そしてルアシーンを復興させるための名代がビエラだと言うのもルアシーンの穴である。
帝国はビエラが庶子ではない事を知っているので後から正当性を疑う情報を流せばルアシーン軍にダメージを与えられると考えているのだろう。
今回ゴードルの街を奪回するのに1ヶ月掛けたのも帝国の判断を狂わせているはずだ。
今まではどの街も1週間かけずに攻略していた所に1ヶ月掛けた。
それは勢いが落ちたと考えるのも無理は無い。
今まで投入していた覚醒勇者も居ない。
それは普通に考えれば投入に制限があったと考えるだろう。
帝国の上層部は制約について詳しく知っているのはそれを利用した罠をかけたことから解っている。
故にトーレス王国外で覚醒勇者が活躍して居るのは不思議に思っているはずだ。
そして、そのまま覚醒勇者が自由に国外に出てくることを恐れただろう。
今回の戦いに覚醒勇者が参加しなかたった事を都合よく解釈するのは不思議ではない。
こちらとしてもそう誘導したわけで戦況が落ち着いた今、北部の中小都市の調略に勤しむことが出来るわけだ。
そうして俺は元ルアシーン国境の幾つかの大都市を除いた都市を支配することができた。
そして俺は次の準備に入る。
各都市の主要部分に大型モニターを設置したのだ。
既に支配している都市には事前に設置をしてある。
秘密裏に籠絡した都市の広場にも代官権限で設置した。
設置自体に手間が掛かる訳では無いので支配下にない都市にも間者とともにいつでも設置できる準備だけはしてある。
その日になれば設置する予定だ。
その日というのはクスーラゥを公開する日だ。
クスーラゥを正式なルアシーン後継者として。
女王として臣下に発信する。
その日が近づいていた。
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とにー




