第127話 シルビア
私の名前はシルビア
古代竜の一柱だ。
こんな調査に駆り出される存在ではないのだが、女王の依頼では仕方がない。
先日女王の卵が消えた件を調査した結果確認を任されて居たザウシウスと言うドラゴンが既に死んで居ることが分かった。
高位のドラゴンは魔法に長けているので魔力反応で起きた事の大体は判明するのだ。
ムグの森でザウシウスの反応が消えているし卵の反応もそこまでは確認できた。
しかし、そこで反応が消失しているのは何らかのスキルか魔法の影響だろう。ただ魔法だとそれなりの痕跡が残る可能性が大きいので多分スキルであろう。
こんなことが出来るのはトーレス王国のCランク冒険者の可能性が高い。
そこで上がってきたのがムグの森からすぐのワルフェアの街の領主に若いCランク冒険者が赴任してきたと言う情報だ。
しかも、少し調べた所そのCランク冒険者はドラゴンスレイヤーと讃えられていると言う事だ。
そのCランク冒険者がザウシウスを倒したのはほぼ確定だろう。
と言うことは卵もそいつが所持している可能性が高い。
それを聞いた女王は戦力を出してワルフェアに攻め入ることを命じたが、側近のバルバロスが苦言を呈した。
トーレス王国と正面から渡り合うのは危険が伴うと言うのだ。
それに関しては執事のゼクロアスも同調した為、女王も考えを改めた。
そして、赤の王女である私が調査に出向いたと言う事である。
そして私はワルフェアの城門に居るわけだが……ワルフェアってこんなに大きかったっけ?
私は困惑して居た。
門番に身分証を見せて街の中に入る。
私は身分証を持っている。
それが今回私が選ばれた理由だ。
我が王国に人化出来るドラゴンは10柱居るがトーレス王国の身分証を持っているのは私を含めて3人だ。
特に私が持っているのは冒険者ギルドのギルドカードなので調査には都合が良いと判断された。
まぁGランクではあるのだが……
街の中に入ると更に驚かせられる。
道が整備されている。
しかも石畳ではない。
真っ平で凸凹もない不思議な素材だ。
そんな道が真っ直ぐ引かれていて何やら機械が走っている。
戸惑っていると衛士に声を掛けられた。
「ワルフェアは初めてですか?」
「うむ、そうなんだが。」
「どちらか目的の場所はありますか?もし観光なら3番の乗り場からバスが出て居ます。ダンジョンが目的の冒険者の方でしたら1番と2番からギルド行きのバスがでます。」
成程、バスと言うものに乗れば良いのか?
ギルドまで行くのは1番か……。
いや、これはギルドに行く前に現地調査が必要だろう。
私は3番のバス停からバスに乗った。
ーーーーーー
ワルフェアの街正門にて
門に居た忍者が門番に話しかける。
「先程の御仁、ただものでは無かったな。」
「そうですか?冒険者ですがGランクでしたよ。」
「そんなバカな、内包エネルギーはCランク冒険者を超えて居た。多分花栄様に匹敵するぞ。」
彼は門で調査をするためにアナライズのスキルを持って居た。
その為大体の情報は解るのだ。
「隊長に連絡して正確なアナライズをしていただくか……。」
ハットリはススムより預かったスマホでデバイスの機能をある程度使える。
それによりシルビアの正体が確認出来たのだ。
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シルビアは好奇心が強いんですね。
冒険者カードも好奇心から取ったのです。
少しでも面白いと思われましたらモチベーションにもなりますのでブクマ評価をよろしくお願いします。
とにー




