第124話 帝国side
帝国side
そこは皇宮の奥、20畳程の部屋にテーブルが置かれてそこに座る男が三人。
そこは普段軍議で使われて居る場所ではない。
皇帝の腹心のみで作られた会議場であった。
1人豪華な椅子に座るのはこの国の皇帝だ。
他の二つの椅子にはローブ服の男と軍服を着た男が座る。
そして一人立っている男は目元のみ隠すマスクをしており表情までは伺えない。
軍服を着た男がマスクの男に尋ねる。
「現状分かっている覚醒勇者について報告しろ。」
「はっ!現在存在を確認されている覚醒勇者と思われる人物はグランデンを除き3人、ルアシーンの城壁より弓を打った女性、軍団を召喚した男、ダンジョン内で隊長を倒した者、これに関しては映像が不鮮明で性別までは判明して居ません。後は諜報員や暗殺者が悉く不明になっており、これを行えるとしたらその面で優秀な人物が居ると推測できます。」
「それを合わせると4人か……。」
「ダンジョンの者はどちらかと同一人物だと言う可能性は?。」
「召喚の男とは体格が違いすぎます。弓矢の女とは戦い方が違いすぎます。またダンジョンの方も体格からは女性と思われます。小柄な男性の可能性もありますが……。」
「これだけ多くの覚醒勇者が出てくると言うのは制約を解き放ったと言う事でしょうか?。」
ローブの男が疑問を口のするが、皇帝が口を開いた。
「それだと先日の作戦は成功しなかっただろう。我は思うのだがな、何かイレギュラーが起きていると。」
全員が黙ってしまうが、軍服の男が思いついた様に声を上げる。
「そう言えばドラゴンの卵の件はどうなったのだ?」
「ドラゴンですが倒されたと報告が入っております。覚醒勇者が揃うならそれは想定内ですので、ドラゴンの復讐はまだ確認されておりません。あれらは執念深いので復讐はする筈ですが長命なので気が長く、気まぐれなのでいつになるかは解りません。」
「そうか……卵に対してはもう少し反応すると思ったのだがな、あまり高位なドラゴンの卵ではなかったか?。」
「なるべく奥深くから盗む様に指示はしてあったのですが、流石にそこまで深くには入れなかったのでしょう。」
「ムグ王国の方はどうなっている?」
「王女の暗殺失敗が響きましたまさか覚醒勇者に遭遇するとは……。」
「現在内部工作を行って居ますがもう少し掛かるかと。」
「急がせる様に指示しろ。なぁにもうすぐですトーレス王国もこちらばかりを構っても居られなくなる。その時までになるべく消耗させるのだ。」
ローブの男が指示をする。
「ルルーナが攻略された以上ルアシーンを落とすのは難しいが物量がいつまでも持つ訳ではあるまい、消耗戦はこちらの優位になる。なるべく多くの兵を動員して攻め込む様にしなさい。」
「はっ!。」
軍服の男は敬礼をして部屋から出ていくのであった。
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沢山あるので少しづつやっております。
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とにー




