第114話 備前長船
さて、3人の進捗状況の確認をしてみよう。
まずは琴子だが思ったよりゲームにハマっている様だ。
タブレットをポチポチとタップして居る。
「兼光様も良いですが、宗光様も捨て難いです。長船様も中々……」
うん、大分極まってるね。
なんか、攻めとか受けとかも言ってるけど……腐ってたか……?
楽しそうで何よりだ。
まぁ聞かなかった事にしておこう。
じゃぁスキルを使ってみようか。
俺達はダンジョンに移動してアースドラゴンに対峙した。
彼女はやはり緊張して居る様だ。
俺は優しく声をかける。
「血肩を抜いて、君が感じている刀への想いをスキルに乗せれば良いから。
彼女は軽く深呼吸をして、想いっを乗せてそのスキル名を叫んだ。
「刀匠宗光長船」
琴子の頭上に2種類の刀が現れる。
その刀は刃を合わせる様に重なり合って、全部で20組の刃がアースドラゴンに向けられた。
前回と同じ様に彼女が手を振るとその刀がアースドラゴンに舞いかかる。
前回とは明らかにその速度や迫力が違う。
四方八方から切り掛かったその刀はアースドラゴンを切り刻んでしまった。
うーん、全発射はかなりオーバーキルだな。
「よし、良い感じだ」次はあれだ!」
俺は空を指さすとそこにはワイバーンの大群がいた。
おおよそ15匹くらいは居るだろう。
「では、参ります。」
琴子がまたもや刀を振る様に構えると頭上に刀が現れる。
そして今度は彼女の眼前にモニターの様なものが現れた。
あっあれ、なんか違うアニメも見てたな。
俺がそう思って居るとそこにアイコンがいくつも現れてそれを囲む様に幾つものマークが表示される。
「マルチロックオンシステム」
俺が呟くとロックオンを終えた彼女はその刀を上空に向けて放った。
2本の刀が錐揉み状に空のワイバーンに向けて飛んでいく。
その数20閃……
ひつとの塊の様に飛んでいった刀がワイバーンを前にして弾ける様に分散し一対が一頭のワイバーンを切り裂いた。
結構格好良いなぁ。
俺はつい見惚れてしまった。
「素晴らしいな琴子、これなら大丈夫だ。」
祝福する俺に琴子はペコっとお辞儀をして
「有難うございます、ススムさん。」
と言ってニコッと笑った。
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とにー




