第104話 ルアシーン攻防戦⑤
俺はオフロードバイクを発進させる。
急加速に少しウィリーしながらバイクは敵軍へと猛スピードで突っ込む。
後部座席にはいつもの相棒カーバンクル君だ。
カーバンクルのレベル7シールドを破れる攻撃など来るはずもなく、俺は敵陣を無人の荒野の様に走り抜ける。
基本的には敵の居ないルートを選択するが、
猛スピードであるが故に避けられ無い者は弾き飛ばす。
遮る様な敵も弾き飛ばしていく。
敵も、体当たり以外の攻撃はせずただ走り抜ける俺を不審には思っただろうが、あくまで局部的な事変として捉えるだろう。
事実、俺が駆け抜けた後は俺の方を気にしているのは一部だけだ。
具体的に言えば一万の兵の内1%の100人と言った所だろう。
それも俺が完全に後ろに抜けて仕舞えば、たった一人である。
最後尾の数人が俺を警戒することとなるだろう。
そして俺はここで手品をする。
いや、アイテムボックスからオンラインショップで買ったものを出すだけだ。
パチンッと指を鳴らすとそこに現れたのは……
一万の兵だ……
当然重武装している軍隊だ。
10式戦車20両、バズーカやロケットランチャーを装備した機械歩兵に、剣と魔法の部隊も混じる。
接近戦や混戦となればそちらの方が強いからだ。
突如として現れた大軍だがまだ気がついた者はさほど居ない。
俺に注意を払っていた数人の兵達だけだ。
何故なら俺が走り抜けてる間も花英は攻撃を止めていないからだ。
俺は自軍の後ろに回ると我が軍に攻撃の合図をする。
一万の兵は敵の後方めがけてまずは戦車砲から開始した。
ボーヤン帝国軍はいきなりの後方からの攻撃に何が有ったのか分からずに混乱する。
全く状況が理解できすにバタバタと倒れていく。
我が軍の兵はアイテムボックスカードを持っている為即死でない限りは死にはしない。
散々な砲撃の後に白兵戦部隊が突入する。
敵軍は突入してくる白兵戦部隊の誰が敵なのか分からない。
こう入り乱れてしまうと敵味方の判別は難しい物となる。
しかし、オンラインショップで購入した兵達はシンパシーと言うか、俺に攻撃ができない事を利用して俺の物にも攻撃できなくしてある。
つまり、俺の兵も俺の物なので攻撃出来ない。
攻撃できる物にだけ攻撃するので同士討ちはあり得ないのだ。
全く躊躇せずに乱戦の中でも剣を振るう兵達と混乱し訳のわからない兵達では結果は見えている。
程なくして敵の主力は壊滅することとなった。
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この戦法、プロット時点から考えていたんです。
やっと出来た。
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とにー




