第103話 ルアシーン攻防戦④
さて、今回の攻撃で我が軍は籠城を選ぶと帝国の指揮官は思っただろう。
実際籠城を選んでも十分耐え切れるのだがな、そう悠長なことをやっている場合でもないので一気に決めるとするか……。
俺はシグワスに治安維持を言明する。
籠城の1番の敵は内部分裂だ。
そしてワルフェアまで飛ぶとイヴと春花を残して花英を連れてきた。
いや、イヴにサウザンドライトニングブレイクを使わせればそりゃ楽勝だけどね。
そこは俺の我儘だ。
推しに大量殺人なんてさせたく無い。
まぁ花英だって十分反則だ。
彼女には城壁の上から弓を打ってもらう。
今回の様に敵が四方に分かれている場合は彼女の方が有効だ。
彼女の撃つ弓は1発1発が彗星だ。
低レベルのシールドでは防げない。
前回撃った榴弾砲なんかより遥かに高い威力があるだろう。
そして俺はと言うと、城壁に作った門の前にいた。
乗っているのはオフロードバイク、あまり詳しくないので種類はよく分からない。
そして開始されたという進軍を待ち構えていた。
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帝国side
私は司令室で援軍の陣容を確認していた。
援軍として用意された兵は一万三千、本軍より多い数だ。
攻城兵器もシールド破壊用の爆裂砲含め高射砲や通称棺桶と呼ばれる大型二足歩行兵器まである。
昨今のトーレス王国戦では無用になった物ばかりだ。
ここぞとばかりに用意したのだろう。
大分過剰戦力の様な気もするが、
大型兵器にはほとんどシールド発生装置が付いている。
魔素を大量に使うが元々大型の魔石で動いているのだ。エネルギー供給は問題無い。
私は主力部隊を門のある正面に1万置き、周囲を5千づつの兵で三方から囲った。
もはや中の三千の兵は問題では無い。
城壁を打ち破れるかが勝負なのだ。
正直言うとこのまま籠城させて兵糧攻めでも問題はない。
しかし、これは私の意地なのだ。
この攻撃で必ず城壁を破壊して見せる。
私は全軍に進軍の合図を送った。
攻城兵器を乗せた機動兵器が進み出す。
兵達も全軍で前に進む。
敵の砲撃対策も出来ている。
機動兵器がシールドを展開するのだ。
迫り来る砲弾やばら撒かれた鉄の塊は物ともしない。
勝ったなと私は確信した。
しかし、高い位置にいる大型兵器上の斥候が望遠鏡で不審な人影を見つける。
城壁の上に人が居ると私に報告が有った瞬間だった。
いきなり城壁の上から岩山が飛来したのだ。
そのスピードは飛んできたと言うには余りに速い、まるで流星の様なスピードで貫かれる。
兵達や機動兵器がシールドごと持っていかれる。
兵達に動揺が走る。
しかし、こちらは一万居るのだ。
怯まず進む様に号令をかけた。
その時突然正門が開く。
中から一台の機械に乗った男が飛び出してきた。
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