第100話 ダンジョン悲嘆
春花がボス部屋でボス役として張り切っていた頃ダンジョンでは阿鼻叫喚となっていた。
予定ではルナの入り口である7層まで殆ど魔物はいない筈だった。
確かにその通り4階層までは大した魔物は出てこなかった。
出て来てもスケルトンやゾンビ程度でボーヤン帝国の一兵卒でも十分対応できた。
特に魔物との戦闘もある程度は予想されていることから、先行する部隊に戦闘の強いものを揃えていたこともあって順調に隊列は進行していった。
しかし、部隊が5層に入った時ダンジョンはその表情をガラッと変える。
突然リッチ、バンパイア等の強力な魔物が現れた。
ダンジョンの不文律は低層に弱い魔物、層を重ねる毎に強い魔物となること。
今回は4層と5層の間に封印を施し魔素があまり漏れない様にすることで簡単に細工できた。
バンパイアの魔人兵並みの強烈な戦闘能力にリッチの魔法、一般兵はなす術もなく倒れていく。
倒れた橋からドローンが回収していくので死体が残らない。
それも後続が気が付かない理由だった。
まるで蜘蛛の巣にかかる蝶の様に、蟻地獄に飲み込まれる蟻の様に、ボーヤン帝国の兵達はダンジョンに飲み込まれていった。
俺はダンジョンの入り口でデバイスを見ながら、順調に魂と死体が集まっているのを確認していた。
実は先程の連絡員は俺だったのだ。
ちゃんと全員がダンジョンに入る様に確認するために俺が買って出たのだ。
感のいいやつが居ないとも限らないからな。
俺の懸念も関係なく、順調に事は運んだ。
デバイスで確認しても周囲に存在は確認されない。
帝国の兵達はまだアイテムボックスの中だ。
俺は連絡用の兵を召喚して帝国に作戦終了の連絡をする様に行動させた。
帝国は次にルアシーンを取り戻しにくるだろう。
その為に手を尽くさなくてはならない。
俺はルアシーンにジャンプしてまず城壁の設置を行った。
ワルフェアで製造していた城壁をアイテムボックスに入れて販売する。
すると商品として販売されることになる。
それを購入することにすれば簡単量産城築だ。
俺はルアシーンを城壁で囲う。
城壁にはシールドを付与する。
エネルギーは魔石で賄う。
魔石はアイテムボックスにいくらでもあるからな。
無くてもオンラインショップで購入するだけだ。
代官屋敷は排除して城を建てる。
ここは王都に復帰する予定だから城が必要だろう。
後は主要機関に通達と潜んでいる筈の諜報員の炙り出しだ。
そちらはDHに任せる。
俺のデバイスと似た機能のサーチ用デバイスを渡してあるので簡単に任務を果たせるだろう。
こう言う事はやはりDHのスキルが役にたつ。
向こうも腕が立つので俺では接近する前に逃げられてしまうのだ
こうしてルアシーンは王都としての機能を取り戻して行った。
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新連載始めました。
今回はちょっと変わったVRMMOのゲームの中に入っちゃうお話です。
ヒロイン系男子が主人公でギャグ多めでお送りする予定です。
リンクの貼り方が分からないので作者ページからいけると思います。
よろしくお願いします。
とにー




