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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
最終章:終幕の春
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EP96.涼海の覚悟


 剣義君なら、きっともう少し色々考えるんだろうけど、私はそういうの、多分向いてない。だから、私が取るのは真っ向からの攻略法。

 つまり何が言いたいのかって言うと、私は敵の本拠地に堂々と突っ込んでいくってこと。


「何だこいつ!」


「死ねえ!」


「効かないよ。…ちょっとじっとしてて。雷光!」


 私は死之美達の攻撃を次々と無効化すると、纏めて雷光で気絶させる。

 結衣乃の一件以来、私は魔法の練習を重ねていた。

 剣義君がやっていたように収納魔法陣の中で。私が最も得意としているのは“雷光”。かつて最初のクエストでの友人、チヨコから教えてもらった初めて魔法だ。特訓の甲斐あって今では結構扱いこなせるようになって来た。…まあ、まだまだ結衣乃や剣義君には及ばないけど。

 そして、死之美達を無力化しながら突き進むと、やがて大きな広間へと出る。


「ここは…」


「ふん。凄まじい強さだな」


「あなたは…あなたがコウガマルね」


「…如何にも。私こそ死之美の棟梁…コウガマルだ」


「…あなたを止めに来た。イガノスケさんの依頼でね」


「…あいつめ。余計なことを。…ふん。ここまで辿り着いた褒美だ。特別に教えてやる。私はかつて妻を喪っ──」


「はあーっ!!!」


「!?身代わり!」


「あれ?…流石忍者ね」


 何かごちゃごちゃ言ってるみたいだったけど、時間の無駄だと考えた涼海がコウガマルに殴り掛かると、コウガマルは丸太で身代わりを生み出してその攻撃を避け、抗議してくる。


「ちょっと待てえい!話を聞け!良いか!私は妻を死之美の棟梁の後継争いの中で殺されたんだ!故に死者の国との境界を無くして──」


「だから何」


「うわっ!?」


 この期に及んで自分語りを続けるコウガマルに対し、涼海は回し蹴りを繰り出す。


「だ、だから生死の境を無くしてもう一度会うために…」


「一組織のトップが私情で他の部下巻き込まないでよ」


「うぐっ!」


「それに、私はあなたの親友からあなたの目を覚まさせろって言われてるから(言われてないけど)、御託が終わったなら…倒すよ!」


「くっ!ならば…」


 涼海の鋭いツッコミにコウガマルが怯んでいるのを見た涼海はそのまま殴り掛かる。

 しかし、コウガマルもすぐに立て直し、高速移動で涼海の攻撃を躱し続ける。


「ちょっと、浮くとか狡くない?」


「無敵に言われたくないな…」


「まあ良いわ。…私もそっち行くから」


「は?」


「雷光展開!」


 涼海の抗議に対しコウガマルが受け流すと、涼海は雷光を空中に放ち、留める。


「はあーっ!」


「空中を歩いている!?」


 涼海は展開された雷光の上に乗ると、それを足場にして空中を移動する。


「これで…終わりよ!雷光(サンダー・ビー)烈打(トストリーム)!」


「ぐあああっ!!」


 涼海は空中に足場を得たことでピンボールようにあちこちを動き回り、浮遊しているコウガマルを翻弄し、右腕に電撃を纏わせると、そのまま拳を突き出して電撃の奔流をコウガマルに浴びせる。その一撃を受けたコウガマルは防御し切れずに地面に叩き付けられる。


「…失われた命は戻らない」


「だからなんだ!そんなの綺麗ご──」


「──けど、今生きる命は守れるし、どう向き合うかは自分次第。あなたを慕う人がいる。それだけは覚えておいたら?」


 涼海の言葉に反論しようとしたコウガマルだったが、続く言葉を聞き、項垂れる。

 そして、コウガマルに戦意が無くなったためか、涼海の足元には帰還用魔法陣が展開する。


「…きっとあなたなら、死之美達を取り纏めてもっと良い方向に連れて行けるから。イガノスケさんは、そう言ってたよ」


 涼海がそう言い残すと同時、涼海は元の世界へと帰る。


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