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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
最終章:終幕の春
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EP95.闇の隠れ家


 私がこの世界に来て三日、手がかりを探し続けているものの、矢張り中々見つからなかった。


 一応襲撃自体はイガノスケさんから聞いた情報を基に追い続けているが、それでも尻尾を掴むのは難しい。流石は忍者(っぽい)集団だ。


 掴んだ情報というのは、どうやら襲撃は完全に日が沈んでないと出来ないらしく、それ以外のタイミングでは瓢箪が正常に機能しないのだとか。また、襲うのはこの辺りの人に限定される。その理由はこの辺りには特殊な霊気が満ちているからであり、その霊気をより吸い、適合している魂こそが器を動かすために必要なものなのだとか。

 つまり、敵が動くのは夜。範囲はこの辺り。とは言え、全てをカバーするのは不可能。故に逃すことや、新たな犠牲者が出ることを防げていなかった。


「何か策はないかな…」


 このままではこちらが不利。となれば頭を使うしかないのだが…いかんせんこういう頭脳戦じみた考えにはあまり強くないのだ。


「こんな時、剣義君なら…」


 剣義君はこういう状況でも策を練って解決して来た。だからか私は剣義君のことを思ってその名を呟く。

 その時、私の脳裏にふと記憶が蘇る。


 少し前に死神と戦った時のことだ。あの時は敢えてネズミを弱らせて逃すことでその居場所を特定した。なら、同じ手とまでは言わずとも、似たことは出来ないだろうか。


「うわああっ!!」


 思考していると、悲鳴が私の耳に届く。それを聞いた瞬間、私は反射的に声の方へ向かっていた。

 駆け付けると、そこには後ずさる男性と二人組の死之美が。


「我らの計画のために散れ!」


「だ、誰か…!」


「はあーっ!!」


 死之美の一人が瓢箪を向けた瞬間、私はその間に飛び込む。


「お、お前は…」


「近頃俺達の邪魔をしてくる女か」


「…逃げて」


「あ、ありがとうございます…!」


 私は男性を逃すと同時に確信する。これは──チャンスなのだと。


「ふん、丁度良い…ここでお前を討ってやる!」


「二対一だが恨むなよ!」


「くっ…!きゃあっ!」


「なんだよ。思ったより弱えな!」


「だがこいつは刀を腕で受けても傷を受けていない。無敵という噂は本当のようだ」


「なら仕方ねえ、これ以上やっても無駄だな。さっさとトンズラすんぞ」


 私は敢えて相手の攻撃に力負けした振りをして相手が撤退するよう仕向ける。


 そして、私を置いて二人がその場を後にしたのを見ると、私は立ち上がって跳躍する。

 高く跳び上がり街を一望すると…──いた。

 私は急いでその後を追う。気付かれないように、尚且つ見失わないように距離を保って私は追尾を続ける。


 街を抜け、森を抜け、山を抜け、闇に紛れる死之美を見失わないように追い続けるのはかなり骨が折れたが、ある程度なら暗視も出来るためそれのお陰で見失わずに済んでいた。

 そして、人気のない湖畔に辿り着くと、二人は札のような物を取り出す。あれを私は知っていた。イガノスケさんも同様の物を持っていたからだ。

 どうやらあれは遠く離れた所に秘匿されている死之美の里への行き来をするための物らしい。しかし、イガノスケさん達の持っていた物は壊れてしまって使えない。どうやらコウガマルが遠隔で破壊し、侵入出来ないようにしたらしい。


 二人組が札から靄のような物を放つと、そこへ消えていく。

 そして、その靄が消える寸前、私は全速力でその中へと突入する。

 靄の中を抜けると、そこには夜なのに明るい、幻想的な空間があった。こここそが死之美達の里…。

 漸く掴んだ手掛かり、無駄には出来ない。

 そう決意し、私は里の奥の方にある巨大な屋敷を目指すことにした。

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