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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
最終章:終幕の春
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EP83.剣義のクエスト


 バレンタインから二週間が経った。結局あの日、俺が返事を言うよりも先に涼海が「結衣乃が帰って来てから返事は聞かせて」と言ったために返事出来ていない。


 そして今だが、俺達は…いや、俺はとある世界へとクエストをクリアするために異世界転移していた。

 今回は何と四つもクエストが来たため、四人で一つずつ手分けして対処することにしたのだ。


 扉を抜けた先には豪華な部屋が。…どこかで見たような…。


「ここは…前に…」


「勇者様!来てくれたのですね!」


「え?」


 俺が妙な既視感を覚えていると、後ろから声を掛けられる。


「えっ?…君は──セルラ!?」


「覚えててくれたんですね!嬉しいです!」


 俺に話し掛けていたのは俺達がかつてクエストで“黒き霧”から助け出した女の子・セルラだった。


「…ってことは、まさか…また同じ世界に呼ばれたってことか」


「そうなります。…私共も、まさかまた同じ人が来るとは思っていませんでしたが…」


「だろうね。…で、今度の敵は?」


 セルラに案内されて宿に向かいつつ、俺は今回のクエストにおける敵について尋ねる。


「はい。今回の敵は邪神官・マドサイエです」


「どんな奴なんだ?」


「…前回、勇者様達をお呼びした黒き霧、その生みの親です」


「!…あいつ、人工生命体だったのか」


「はい。生物を融合させたキメラ、それこそが黒き霧の正体です。そして…黒き霧のようなキメラ軍団を形成して、今次々と都市を襲い始めたのです」


 黒き霧と言えば、黒い体毛の三つ首の犬、言い換えればケルベロスのような外見の魔物だった。

 そして、それと同等の存在が大量生産されて軍団になっている、と言うことか。


「成る程な。なら、そいつを討伐すれば良いのか」


「そうなります」


「分かった。そいつは今どこに?」


「現在は南の都、ハイワーの辺りを占拠しているようです」


「成る程。となるとそこまで案内してくれる人が欲しいんだけど、手配出来る?」


 俺がセルラに訊くと、セルラはニコラと笑って頷く。


「大丈夫です。案内なら、この私が」


「え?セルラが?」


「はい。…何か問題がありましたか?」


「いや…そんな危険な場所に()()()()を連れてっても大丈夫なのかと思ったから」


「!…気付かれてたのですか?」


 セルラの申し出に対して俺が返すと、セルラは大きく驚き、目を丸くする。


「まあな。…君は以前自分を使用人と言っていたが、一介の使用人に禁断の果実などという重要な物を任せるか?と思ってたからな。…多分、王族の血縁者なんじゃないかと思ってた」


「大正解です。この王国における第一王女が、この私、セルラエナ・リースタイルです」


「しかし、なんで使用人なんてしてたんだ?」


「王族の掟なのです。13歳から18歳までの5年間は王族として恥じぬ行動と知識を身に付けられるよう、男子は騎士団に、女子は使用人になって働く、ということが」


「そう言うことか。…なら、君に案内をお願いするよ、セルラ」


「はい!お任せください!」


 セルラの説明を聞いた俺はひとまず納得し、この先の案内を頼むことにする。


──翌日


「さて、早速出発するか。ハイワーまでどれくらいかかるの?」


「はい!ハイワーまではここからですと五日ほどで到着出来るかと!」


「そうか。ありがとう。…よし、行くぞ」


「はい!!」


 こうして、俺とセルラの旅が始まった。…一人のクエストという時点で初めてで少し緊張していると言うのに、まさか二回も同じ世界にやって来るとは…驚きだな。

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