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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第四章:決意の冬
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EP78.vs死神


 町外れの廃工場。そこに一人の男がいた。不健康に痩せこけた長身にボサボサの髪。目はギョロリとしていて若干血走り、全身黒いローブに身を包んだその男は、現在剣義達が追っている「死神」その人だった。


 死神は廃工場へと入って来た巨大ネズミに気付くと、その傍へと寄る。


「ああ。そんなにも傷だらけになってしまって…可哀想なジョン」


 剣義達の攻撃により傷付いている巨大ネズミを労わると、死神は低い声で宣言する。


「…我々の大義の為にも、頑張らねば……!」


「その大義ってやつが何か…詳しく聞かせてもらおうか!」


 死神が宣言すると同時、突然天井を突き破って突入しながら何者かがそう言い放つ。


「き、貴様等は…!」


「俺は群星剣義。…初めまして?死神さん」


 死神が見た方向、そこには不敵に笑う俺、群星剣義と涼海、リン、流、レーケンさんの五人がいた。


 俺は祝福(ウイング・ザ)の翼(・ブレッシング)で、涼海とリンは魔法の箒で、レーケンさんは流の全身全武装(フルアームド)・・戦闘機(ジェット)で変化した飛行機に乗ってネズミの見張りが気付く前に突入したのだ。


「ば、馬鹿な!何故ここが…」


「種明かしはしないぜ?…どうせ、お前の革命はここで終わるからな!」


「ぐぬ…!や、やれ!お前達!」


 死神がそう叫ぶと、工場のあちらこちらから大量の巨大ネズミやネズミが現れ、俺達に襲い掛かる。


「よし、今のうちに…!」


「マズい!逃げられるぞ!」


「ここは俺に任せてくれ!」


 逃走を図っている死神をレーケンさんが追おうとするが、ネズミ達に阻まれてしまい、悔しそうな声を上げる。

 その様子を見た俺は、この状況を打破する策を思い付き、名乗り出る。


「喰らえっ!剣戟流星群けんげきりゅうせいぐん!!」


 俺がそう言って聖剣を振るうと、虚空から光の剣が2本、3本と出現し、計5本の光の剣が宙に浮かぶ。


「!あの技って…」


「私の幻剣召喚に似ている…?」


「行けえっ!」


 俺が合図すると、3本の剣がネズミ達の牽制に向かい、残る2本がその隙に死神の両足のふくらはぎに突き刺さる。


「あがああ゛あ゛ッ!!」


 苦しみながら倒れ、悶えている死神を見ると、俺は周りに指示を出す。


「よし、ネズミを片付けてあいつをとっ捕まえよう」


「ああ。指揮を取ってる死神を封じた以上、ネズミは倒すだけだ!」


「分かった!」


「任せて!」


「うむ」


 それぞれが同意を示した後、一斉に攻撃の構えを取る。


「剣戟流星群!」


「フル・スターシューティング!」


「雷光!」


「影潜り!」


「幻剣旋回!」


 俺は無数の光の剣を召喚して降り注がせ、流は全身に砲身を生成して一斉放射し、涼海は変換の指輪で無敵の加護の力の一部を雷撃に変えて放出し、リンは影の世界への入り口を開いて敵を呑み込み、レーケンさんは幻剣を高速旋回させて撃ち出す。

 あっという間にネズミ達は蹴散らされ、死神へと俺達は近付く。


「さーて、覚悟してもらおうか」


「ひ、ひいぃ…!」


「リンさん、これ」


「はいはーい。書き換え(リライト)


 血塗れの足の引き摺って後ずさろうとする死神に俺が氷の輪を生成して四肢を拘束すると、その間に涼海がリンに変換の指輪を渡す。

 そしてリンが指輪を嵌めてその手を死神に向けて翳すと、不思議な青い光が死神に浴びせられる。


「うわあっ!来るなぁ!!なんでだ!?なんでネズミが出て来ないんだ!」


「お前にはもう呪いを放つ能力は無くなった。聖なる癒光(ホーリー・ヒール)


「そんな…!」


 リンの生命力を変換することで死神の能力を打ち消した。恐らく、呪いそのものの効力も消えただろう。

 それを見越して俺は死神の足を聖なる癒光(ホーリー・ヒール)で回復する。

 足元をふと見ると帰還用魔法陣。時間は後僅かだろう。


「じゃあ、レーケンさん。後は任せます」


「ああ。ありがとう。…君たちのお陰で、多くの命が守られた」


「こっちこそ。あなたの技が俺の新たな力のヒントになった。ありがとうございました」


 レーケンさんが死神の身柄を確保し、こちらに敬礼をすると同時、俺達は光に包まれた。


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