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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第三章:波乱の秋
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EP50.時の管理者


「…全てが、止まってる?まさか…時間そのものが止まってる!?…!!戦姫の(スラッシュド)一太刀(バルキリー)!」


「おっと、驚いたな。何で君は動けてるんだい?」


 軽薄な口調でそう言うメテス。止まったであろう時の中を動いて群星君の首に刃をかけようとしていたため、私は咄嗟に無敵の加護を刃状に変えてメテスの攻撃を受け止める。


「メテス…!やっぱりあなたの仕業だったのね!何で全てが止まってる訳!」


「何でって…それはこっちの台詞なんだけどなぁ…。おっと、時間切れか」


「!!戻った…!?」


「おらあっ!…ってあれ?いない?」


「!避けられた…?」


「あいつとスズ…いつの間にあそこに…」


 俺達は放ったはずの攻撃を何故か避けられてしまい困惑していると、少し離れた所でメテスと睨み合っていた涼海がこちらは戻って来て焦った様子で言う。


「不味いよ、あいつ…時間を止める能力を持ってる…!」


「は?時間停止!?」


「まあね。それが僕の能力。僕は時の支配者、とでも言うべき存在だからねぇ」


「んなの反則でしょ…」


「あれ?でもスズには効いてなかったってこと?」


「まあね。私無敵だし」


 リンの疑問にあっさりと言ってのける涼海だったが、メテスはどうやら納得いかなかったらしい。


「無敵って…どっちのが反則さ。と言うか無敵だろうが何だろうが時は平等に流れているはず…何故僕の壊れた時計の静寂(ブロウクン・クロック)が効かないんだ…?」


(…!単に無敵だから時間停止を避けられたんじゃないのか?)


「何ぶつぶつ言ってんのか知らないけど…まずはあんたを倒す。あんたみたいな奴を無限回廊へ行かせる訳にはいかない!絶対に碌なことにならないだろうからね!」


「酷い決め付けだねえ…。僕はただこの時を操る能力を無限回廊の中で使用して彼女を取り戻したいだけさ。ま、巻き戻しには力が足りないから何個か世界を破壊して僕の力に変えるけどね」


「やっぱり碌でもねえな!これならどうだ!氷炎魔撃砲!」


閃光の(パニッシャーズ)一撃(フラッシュ)!」


 強力な魔力のエネルギー弾と金色の打撃を同時に放つが、銀色の大盾によって攻撃を受けられてしまい、返しに強烈な衝撃波が金色の大剣から放たれる。


「うわっ!」


「くっ…!」


「嘘でしょ!?」


 結衣乃が咄嗟にバリアを張ったが為に威力を殺せたものの、それでも俺達は吹き飛ばされてしまう。

 土煙が晴れると、メテスは無限回廊目掛けて飛行し始めていた。


「悪いけど、君達は倒すのも骨が折れそうだ」


「!!待て、メテス!」


「不味い…あいつをほっといたら…!」


「止めねえと!」


「…皆は飛べないし、あそこまで届く攻撃手段ないでしょ。…だから、私が止める!ドロップオール・インパクト!」


 結衣乃が杖を構えると、火、水、風、土、雷、氷の魔力が一つに収束し、虹色に輝き出す。


「これが私の切り札!!行っけえ!!」


「!!何!?」


 結衣乃の放った虹色の光線は余波のみでメテスを吹き飛ばし、無限回廊の入り口に直撃すると、入り口は少しずつ閉じ始める。


「…やってくれるね。だが、もう遅いよ」


「…そうね。剣義、リン、すずちゃん。昨日あんな話したばかりでこんなことになって、本当にごめん。…後、宜しくね?」


「は?何言っ──!!お前、まさか…よせ!結衣乃!!」


「!結衣乃!?」


「ユイー!!」


 結衣乃はふと笑って俺に箒を渡し、杖を構える。


「ブラスティング ドラゴ」


 杖から赤い魔力の龍が出現し、結衣乃を乗せて一気に飛び立つ。


「くっ!厄介なのを呼び出すね」


「あんたの好きなようにさせないよ!」


 龍は強力なブレスを放ってメテスを大きく後退させる。

 そして結衣乃を乗せたまま閉じかけている無限回廊の入り口に入り、メテスを睨む。


「……そこを、退いてもらおうか!」


「お断りよ!ドロップコンボ・ストーム!」


 激しい竜巻がメテスを襲い、その動きを止める。


 そして閉じゆく無限回廊の入り口の中で、結衣乃は俺達を見て微笑む。


「何やってるの結衣乃!戻って来て!」


「早く出て!ユイ!」


「…結衣乃!!」


 そして結衣乃は雷と炎のエネルギーを入り口にぶつけると、入り口を完全に消滅させる。…結衣乃が、中に入ったまま。


「あいつ…!やってくれるねえ…!なら、君達をまず消して、次に入ったタイミングであいつを…消す!」


 怒り心頭と言った様子のメテスが襲い来る。それを同じく激怒している涼海が迎え撃とうとするが、俺はそれを止める。


「よせ、涼海。怒りに駆られた不安定な精神状態で勝てる相手じゃない。…ここは一旦退いて態勢を整えるぞ」


「群星君!?どうして」


「ツル…」


「あいつが選んだのはメテスを止めること…今は勝てそうにもない上に、こっちが壊滅的な被害を出して奴を倒したとしても無限回廊への道は遠のく!お互いに多少距離を取って頭を冷やすしかない!それは奴も同じだ!…結衣乃は死んだ訳じゃない!ここは逃げて、絶対に助け出すぞ!」


「……分かった」


「頼んだ。…リン、時間稼ぐぞ」


「うん!魂炎(ブレイズソウ)鬼弾(ル バレット)!」


「ふん、その程度の攻撃…!?」


 メテスはリンの放った蒼炎の弾丸を大盾で軽く振り払おうとするが、弾丸は広く燃え広がってメテスの視界を塞ぐ。


「くっ、だが大した威力でもないな…!」


「聖天星覇斬!」


 勿論リンの攻撃は本命ではない。相手の注意を引き付ける為の囮だ。


 俺はメテスの隙を狙って超高速の一撃を放つ。


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