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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第一章:始動の春
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EP5.帰ってきた世界と秘密の秘密


「あれ…?ここって、神社?……あれっ??」


「おかえりー剣義。どうだった?異世界は」


 声が聞こえてきたので振り向くと、そこには涼海と結衣乃が居た。


「…凄すぎて訳分かんねー。ってか、最後の黄色いの何?」


 そう疑問を投げかけると、涼海が改めて答える。


「あれは帰還用の魔法陣。クエストをクリアすると私の足元に出て来るのよ。任意では私しか出せないわ」


「あれに2分以内に乗らないと帰れないんだよ。気を付けてねー。因みに乗ったとしても出現から2分経つまで帰れないけどね」


 へー、そうなのか。って何でそんなこと知ってんだ?


「あれ?な、なぁ、何で帰って来れないって知ってるんだ?」


「え?…あ!群星君!違うの!あっちにある物を魔法陣に入れなかったら持って来れなかったからそうじゃないかって予想立ててただけよ!」


「あ、そうなのね。びっくりしたぜ」


 良かった…。俺の知らないとこで誰かを異世界に置き去りにしちゃいましたとかそう言うことになって無くて。

 そう言えばさっき涼海が「クエスト」と呼んでいた事に気付き、口角が上がる。


「そういやクエストって呼び方使ってくれてんのな」


「え?…まあ、使いやすかったし。……悪かった?」


「いや、別に?どっちかって言うと嬉しいな。涼海ってこう言うのにあまり乗らないタイプだし」


 やっぱり自分の付けた名前を気に入って貰えると嬉しい。そう涼海に伝えると、涼海は横を向いて顔を隠す。

 何となく照れ臭くて2人とも黙って居ると、見かねたのか結衣乃が声を掛ける。


「はいはい、私抜きでイチャイチャしない!それより剣義、私達の秘密、分かってくれた?」


「……ああ、いつもあんな風に冒険してたんだな。…いつからなんだ?」


 気になって2人に訊ねると、涼海が答える。


「最初は…私だけだったの。4年前、中学1年の時に初めて鍵を手に入れて、その時は訳の分からないまま異世界に行って…6年以上かかったわ。それで、帰って来たら行く前と同じ場所、同じ時間で、夢かと思ってた」


「……」


 そんなに昔から…全く気付かなかった。

 悔しさから、拳を強く握る。

 そんな俺の様子を察してか、結衣乃が口を開く。


「ごめん、剣義が悪いんじゃないの。寧ろ私が剣義に隠そうとしたから」


「そうなのか?…どうして何だ?」


 申し訳無さそうに笑うと、結衣乃は語り出した。


「初めてすずちゃんが異世界に行った後、中学の先輩にすずちゃんが絡まれて、倒しちゃったって事があったの」


「それって1年の時に涼海に告白して振られた先輩の話か?え、あれって事故って話だった気がするんだが」


 覚えはあるが、確かあれは涼海に振られた先輩が呼び出した体育倉庫でそのまま暴れて物を壊して、それが原因で崩れて来た備品で怪我をしたって話だった気が。

 しかし、結衣乃は首を横に振り、話を続ける。


「ううん、ほんとはあの時心配で私も着いて行ってたんだけど、掴み掛かって来た先輩をすずちゃんが弾き返しちゃったの、無敵の加護の力でね。幸いその先輩もすぐ気絶してしまったから隠す事が出来たけど」


「それで、知ったのか?涼海の秘密を」


「うん。私もその時は何か分からなかったから、すずちゃんに聞いたの。『さっきのって何?』ってね」


 またしても俺は何も知らなかった。悔しさを噛み締めつつ、結衣乃の話に耳を傾ける。


「それで私は、すずちゃんから異世界に行った話を聞いたの」


 すると、涼海が付け足す。


「あの日、信じて貰えなかったらどうしよう。って思って群星君には話しづらかったの…ごめんなさい。群星君」


「…良いよ、ある意味当たり前の事だし、気にしてない。…って言えば嘘だけどさ、まぁお前は気にすんな」


 別に涼海が気負う事じゃない。勿論結衣乃も。


「じゃあ、続けるね。それで、私も着いていく事にしたの。…そうすれば心の支え位にはなれると思って。

2回目のクエスト以降は私も着いていって冒険してたんだけど、やっぱり剣義には教えられなかった」


「……俺が、頼りなかったからか?」


「違う!そんな理由じゃない!別に理由があるの!」


 正直な所、口に出してしまった事を後悔していた。

 そんな言い方をすれば、結衣乃を責めたみたいになるから。

 だけど、結衣乃が俺の言った事を否定する時の必死さが少し引っ掛かり、少し言葉を選んでから、話を続ける。


「…ごめん。お前等はそんな奴等じゃないよな。

結衣乃さえ良ければ、訳を教えてくれないか?」


 結衣乃は小さく頷くと、少し目を泳がせた後、意を決した様な顔をして口を開く。


「それはね、剣義。













あなたの事が好きだから」


「…………そうか……えっ?」


「ゆ、結衣乃…!?」


 その瞬間、俺の頭の中は真っ白になった。


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