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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第三章:波乱の秋
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EP49.覚悟の行方


 涼海の最初のクエストの話を聞き、メテスに協力する意思を固めた俺達は翌朝、メテスに自分達の意思を伝える。


「…僕に協力してくれるんだね。ありがとう」


「まあ、色々考えてな」


「では、まあまずは少し移動しようか」


「…分かった」


 涼海が返事を返すと、メテスは頷き先導して歩き始める。


 メテスに着いて行くと、最初に俺達がやって来た草原に到着する。


「さて、それでは早速始めよう。時は金だからね」


「どうすれば良いの?」


「方法は当然知ってるんだろ?」


「ああ、僕が様々な世界の文献を調べて辿り着いた方法がね。…君達が鍵と呼ぶコレを出してくれ」


 そう言ってメテスは掌から紫の球体を出す。あれが、メテスの鍵か。

 それに合わせて、涼海も赤色の鍵を取り出す。


「…これで良い?」


「よし、そしたらこの二つの鍵を一つにし、唱えるんだ」


「唱える?何て?」


「"幾多の世界を繋ぐ根源の場所への道よ。資格を得し者の前に今、開かれよ!"

…と、君と僕が同時に言うことで無限回廊への道が開けるはずだ」


「成る程ね。まずは二つの鍵を…一つに」


「ああ!」


 そう言って二人が鍵を近付けると、やがて二つの鍵は混ざり合い、白く輝く。


「これは…!」


「綺麗…!」


「凄いな…」


「さあ、行くよ」


「ええ」


 二人は息を合わせ、そして唱える。


「「"幾多の世界を繋ぐ根源の場所への道よ。資格を得し者の前に今、開かれよ!"」」


「!!あれは…」


「これが、無限回廊への道…!?」


「凄い力を感じる!」


 二人が唱え終えると、白く輝いていた鍵は更にその輝きを増し、天高くに光の穴を作る。


「…遂に、遂にこの時が来た!……そうだ、君達には礼と…謝罪をしなくてはな」


「謝罪?どう言う意味だ…?」


 突然訳の分からないことを言い出すメテスにどこか嫌な予感を覚えながらも質問を投げ掛ける。

 するとメテスは人当たりの良さそうな顔に、一目で分かる狂気を剥き出しにして語り出す。


「ふふ…ふふふ…僕は一つ、君達に嘘を吐いていたからねぇ…」


「嘘?」


「ああ。…無限回廊を止めれば、全ては無かったことになる。僕はそう言ったけど、それは全くの嘘さ。

実際に起きたことはもう既に起こったことは取り消せない!刻まれた事実は決して無くなったりないからねぇ!!」


「そうだったの!?…なら、何で私達を騙すような真似を?」


「ふふっ、意味のないことに付き合ってくれる人なんて中々いないからねえ。付き合ってもらうために嘘を吐いたよ」


 突然人格が変わったかのようなメテスに、俺達は唖然とするほかなかった。


「じゃあ、幼馴染の話は嘘だったのか?」


「いや…あれは事実さ。僕は彼女を救う為に無限回廊への道を探し続けてきたのさ」


「でも全てを無かったことには出来ないんだろ?」


「そうだね。…僕を除いては、の話だけど!」


「どう言うことだよ」


「君達に直接教えてあげるよ。折角の無限回廊を開いてもらったお礼さ。…尤も、知ったところで待ち受けているのは死あるのみだけど!」


 そう高らかに宣言すると、メテスは金色の豪華な片刃剣と銀色の豪華な大盾を紫色の収納魔法陣から取り出す。

 一瞬で緊張が走り、俺達もそれぞれの武器を取り出し戦闘態勢に入る。


「エクスプロージョン・ルイン!」


「…ドロップコンボ・バーニング!」


「爆炎魔撃砲!」


 メテスの前に現れた赤い魔法陣から巨大な火柱が噴き出し、俺と結衣乃も咄嗟にそれぞれの魔法を放って相殺する。


「二人がかりの攻撃で、相殺がギリギリ…!」


「反応が遅れて威力を出し切れなかったにしても、なんて威力だよ!!」


「何で私達を襲うわけ!?」


「え?そうだな…気に入らないから、かな?」


「何だと?」


「…だってさ、君達は僕が失ったものを持ってるんだよね。それって羨ましいし、気に食わないんだよね」


「んだと…!ふざけんな!業火炎聖斬!!」


「そんな理由でアタシ達に攻撃したこと、後悔させてあげるよ!魂焔(ソウルバースト)(・ブレイズ)!」


「悪いけど、そっちから仕掛けた以上手加減しないから!ドロップコンボ・インパクト!」


 メテスの滅茶苦茶で自分勝手な言い分に怒りを覚えた俺達が攻撃を仕掛けようとすると、足元に紫の何かが広がり、一帯を包み込む。


 そしてメテスはニヤリと笑って何か呟く。


壊れた時計の静寂(ブロウクン・クロック)




 その瞬間、全ては静寂に包まれた。

 私も攻撃を放とうとしたものの、事の異常性に気付き、周りを見渡すと草は風に撫でられたその形で止まり、空を飛ぶ鳥はそのまま羽撃き一つせずその場所に留まっており、結衣乃の放った雷を帯びた光弾は空中で静止していて、リンさんは蒼炎を纏った斬撃を放とうとしたままピクリとも動かなくなってしまっていた。


「…全てが、止まってる?まさか…時間そのものが止まってる!?」


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