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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第二章:騒動の夏
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EP37.動物園に行った話


 さて、俺は夏休み前に立てていた計画。まあ、計画と言っても幼馴染三人で動物園に行くというものだが。

 それを実行するべく、動物園に来ていた。リンも一緒だが。

 まあ、これは折角ならこの世界の生き物とも触れ合えるし、良い機会だったというのもある。


「おー!!これは凄い!首が長くて可愛いぞ!」


「キリンだね。首が長いのは高い所にある葉を食べられるように進化していったのよ」


 動物園に着くと、未知の生物に目を輝かせるリンに、結衣乃が得意げに解説していく。


「あの紐がついてるでかいのは何だ?」


「あれはゾウ。紐じゃなくて長い鼻なの。かなり器用で、小さい物もあの鼻で掴めるのよ」


「凄いな!あれが鼻なのか!」


────


「ピンクの鳥がいっぱいいる!」


「フラミンゴね。元々の色は白だけど、食べる物の中にある色素を取り入れて、ピンク色になるのよ」


「食べ物で色が変わるのかー。面白いな!」


「…結衣乃もリンさんも楽しそうね」


「ああ。久し振りに来れてテンション上がってる結衣乃と、好奇心の強いリンらしいけどな。楽しそうで良かった」


「だね。結衣乃は遊園地の時来れなかったし」


 楽しそうにしている二人の様子を見つつ、俺と涼海が少し後ろから着いていくと、結衣乃が声を掛ける。


「二人ともー、早く早く!」


「おう、次はどこ行くんだ?」


「んー次は…トラ行ってみよう!」


「トラ…って何だ?」


「行けば分かるよ。行こっ!」


 トラのコーナーにやって来ると、暑いのか木陰でのんびりしている虎の姿が。


「黄色と黒の…猫?」


「正確にはネコの仲間だけどね。因みに今はだらーっとしてるけど、力も強いんだよ」


「スズより?」


「…すずちゃんと比べるとまぁ、弱いけどさ」


「そりゃあね。涼海だからな」


「涼海だからってどういう意味よ、群星君!」


 まあ、こんな感じではあるが、楽しく回っていく。

 そして昼食を挟んだところで触れ合いコーナーに入る。


「おぉ、ウサギいっぱいいるなぁ」


「可愛いなぁ…」


「涼海も触れ合えば?」


「…うん」


 心なしか目を輝かせながらウサギの方へ行く涼海。

 …まああいつ結構可愛い物好きだからな。普通の女子の、 1.3倍くらいは。


「おー、色んな色の子が居るな!ちっちゃくて可愛いな!」


「この子達はウサギ。因みにウサギは寂しいと死ぬ、なんて言葉もあるけれど、それは嘘なんだよ」


 ウサギと触れ合っている三人を他所目に、俺の方へ寄ってきたウサギを撫でる。

 すると、近くに居たウサギ達が寄ってきてしまい、あっという間に囲まれる。


「うわっ!なんかいっぱい来た!」


「相変わらずの好かれ体質ね」


「いーなー。ツルだけ」


「いや、これ普通にどうやって動けば良いんだよ…」


 そう何故か俺は昔から動物に好かれやすい体質なのだが…流石にこんなに集まられると、身動きが取れないな。

 そんな俺の様子を特に気にする事もなく結衣乃達はウサギを愛でていた。


 10分後。何とか抜け出して次の場所へ向かう。


「じゃーん!ライオンです!」


「おお!ライオン!テレビで見たぞ!」


「ライオンはネコの仲間の中でも最大クラスで百獣の王とも呼ばれているのよ」


「王!アタシも魔王だぞ!仲間だな!」


「リンの魔王とはちょっと違う気もするけどな」


 そうして様々なコーナーを巡り、気付けばもう夕方。

 お土産を笑って動物園を出て、帰路に着く。


「…今日はありがと。三人とも」


「ん?気にすんな」


「この間結衣乃は遊園地行ってないしね」


「アタシは楽しかったから寧ろユイ、ありがとな!」


「うん。どういたしまして」


「まぁ、俺も楽しかった。偶には悪くないな」


「そうだね。所でもう、夏休みも終わりだね」


「濃かったよねえ、今年は」


「だな」


 涼海の言葉に頷き、ふと考える。

 来年の夏休みも、今年と同じくらい楽しいのだろうか、と。

 来年は、受験もあるから今年ほど自由にはいかないだろうけど、それでも皆と過ごせたら良いな、と柄にもなく思った。


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