EP36.ゴーレムとの決着
「光をエネルギー源として使うのなら、それを溜めて攻撃するタイミングを読める」
「うん、行くよ!」
そう言って二人で攻撃を放ち続けるが、中々に硬い。
「…弱点は分かってもねえ、どうやったらあの防御力を破れるのかなぁ…。想像を絶する硬さだよ、あれ」
「全くもってそうだな。想像を絶する…想像?そうだ!そう言うことか!」
「どうしたの?ツル」
「ハイドロショックを強化する方法を思いついたんだよ」
「それ今!?」
「いや、これなら応用で奴にも通じる…かもしれない。まあ、物は試しだ!」
そして俺はイメージした。そう、魔法はイメージが肝心。イメージ…即ち想像によって質が変わる。
この場合、俺が想像してたのは夏だってのもあってホースで水が撒かれるイメージだったんだが、今は違う。今は、昔ガキの頃旅行に行った時に見た凄く流れの早い川、つまり激流。
「これで、どうだ!」
すると、水を纏った刀身は流れる様に動き出す。
しかし、俺はそのまま聖剣を振り回して流れをいなし続ける。
「な、何してるの?」
「水の力を高めてるんだ。ただ腕力で制御しようとすると、安定して放てる威力は下がる。けど、勢いを消さずにいなせば、それよりも強力な力を使えるってわけだ。それに…」
ゴーレムが拳を振り下ろすが、それを聖剣で弾き返す。
「こういう風に、防御にも使えるってわけだ」
「なーるほど!」
「行くぜ!激流舞突!」
そして俺は流れの向きを変え、一気にゴーレムへと突っ込むと、3分の2程まで溜まっていた胸のコアにヒビが入る。すると、ゴーレムの動きが大きく鈍る。
「やっぱり、あそこが弱点か。決めるぞ、リン」
「オッケー!…だったら、こういうのは?」
「それって。…分かった」
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「結構硬いわね…まさか閃光の一撃があまり効かないなんて…」
私、月見涼海は攻撃が通りにくい強敵…ゴーレムを前にしていた。
向こうの攻撃は効かなくても、こっちからも効きにくいと、手出しし難い。
こうなれば、こっちも切り札を切るほかないだろう。
…閃光の一撃はまぁ、最初こそ呼ぶのは恥ずかしかったが、もう特に何も思わない。慣れって偉大だ。
「仕方ないか…行くよっ!輝閃乱撃舞!」
私は無敵の加護の力を最大限に発揮すると、全速力でゴーレムに突っ込む。
これは無敵の加護の効果範囲を調整する事で、擬似的に連撃を可能とする技。名前は以前使った時に群星君が命名した。
この技はその特性上、私の持つ技の中で最高火力なんだけど、無敵の加護を利用した荒技だから、使用後は無敵の加護の効力が著しく下がるのが難点でもある。
とは言え、今の一撃で胴体を貫かれたゴーレムは機能を停止してるし、皆んなと合流しよう。
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「かったいな〜。でも、これから効くんじゃない?
ドロップコンボ・エレクトロ!」
私、朝日結衣乃は敵の硬さに苦戦こそしたものの、雷の魔力を一点集中し、放つ事でゴーレムを破壊する。
どんなに硬くても機械。それに、絶縁性はそこまで高くないから高電圧で攻めれば一発。
「すずちゃんはさておき、剣義とリンが心配だし、行かなきゃ!」
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「作戦開始!行くよー!魂焔斬!」
リンはコア目掛けて蒼炎を纏った斬撃を放つ。
しかし、ゴーレムの放ったビームをモロに喰らってしまう。
リンは跡形もなく消えているが、ゴーレムは動きがより鈍っている。そのチャンスを狙って俺は氷の魔力を放つ。
「氷結魔撃砲」
強烈な冷気がゴーレムのコアに命中し、温度差から破損が広がる。
「作戦成功!」
「ああ。でも、もうこんな戦法は極力無しな」
「え?」
「命は大事にしとけって事だよ」
「…?分かった!」
「おう。なら良い。…んじゃ、トドメと行くぜ!
聖天星覇斬!」
一気に身体能力にブーストをかけて突っ込み、横一文字に斬り裂くと、コアは砕け散り、胴体も抉れる。
「…よし。ひと段落、だな」
「剣義ー!」
「群星君!」
「おっ、二人も終わってのか」
俺をゴーレムを倒すと、涼海と結衣乃もやってくる。
そして、涼海の足元に現れた魔法陣に乗り、元の世界へと帰る。




