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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第二章:騒動の夏
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EP35.兵器としての真価


 ゴーレムは、手強かった。

 俺達の攻撃にも一切怯まず、すぐ応戦し、拳を振り下ろしてきた。


「あっぶな!」


「大丈夫かー、ツル」


「ああ。…にしても隙がないな」


「そしたら、取り敢えず突っ込ませてみるよ。いでよ!死者の(リビングデッド)兵士(・ソルジャー)!」


 そう言ってリンが手を振ると、六体のゾンビが召喚され、ゴーレムに向かっていく。…が、一撃で吹き飛ばされてしまう。


「やっぱダメか〜。大きな敵には向いてないんだよねーやっぱ」


「なら、今度は俺だ!爆炎魔撃砲!」


 続いて俺が巨大な火炎弾を放つが、一切動じることなくゴーレムは殴りかかってくる。


「やっべぇな!全然効かねえ!」


「もうちょっと火力が欲しいけど…」


「火力、か。なら氷炎魔撃砲!」


 二つの属性を混ぜ合わせた強力な魔力球を放つと、漸くゴーレムが後方へと退けられ、動きを僅かに止める。


「…氷炎魔撃砲で隙を僅かに作るのが限界とはな」


「アタシもやってみるよ!魂焔(ソウルバースト)(・ブレイズ)!」


 リンはどこからともなく黒の刃を持つ片刃剣を取り出し、蒼炎を纏わせて振るう。

 その斬撃により、ゴーレムの腕の部分を、少しではあるが、傷つける。そしてその様子を確認したリンは渋い顔で言う。


「うーん、やっぱり足りないか。所でツル、なんかあいつ変じゃない?」


「変?どこが?」


「さっきと比べて何か胸の部分が光ってるような」


「あー、確かに。…って絶対にヤバいヤツだ!逃げるぞ!」


「え?わ、分かった。影潜り!」


 俺が焦ってそう言うと、リンも困惑しつつ影を広げて空間を生み出し、入り込む。


 そしてその影が閉じ切る寸前、凄まじい衝撃が俺達を襲った。


「うわああああっ!」


「あっぶなー!!」


 なんとか立ち上がり、元の世界の色調を反転させたかのような影の世界で、俺達は戦慄した。

 何故なら、俺達の居た場所は、先ほどまでの見る影もなく抉れていたのだ。


 リンは言う。「この影の世界は、元の世界の影響を受ける」と。つまりこれは、ゴーレムの放った攻撃によって、この場所が消し飛ばされたということに他ならない。


「い、一度戻ってみるぞ。このままここに居ても埒が開かないしな」


「確かに、…じゃあいくよ?」


「おう」


 リンは再び影潜りを発動し、元の世界に戻る。


「あれ?ゴーレムなんか動き遅くない?」


「そうだな。胸の発光も四分の一程度になってる…そうか!」


 戻ってくると、すぐさまゴーレムに襲われたが、その動きは先程までとは明らかに遅く、光も少ない。そこから俺は一つの仮説を導き出した。


「ど、どうしたツル」


「奴のエネルギー源は光だ」


「そう言えばそんな事を言ってたっけ」


「恐らく、あの胸の発光部は光エネルギーの貯蓄タンクなんだ」


「え?…それってまさか」


「察しがいいな。そう、奴は光を集めてあの攻撃、恐らく光線を放ったんだ」


「成る程ね、でも何で光線って分かったの?」


「それは簡単、影が閉じる瞬間に激しい光が見えたんだよ。リンは反対側を見てたから分かり辛かったろつけど」


 俺の解説に納得したような様子を見せるリン。

 そして俺はニヤリと笑い、宣言する。


「…けどまあ、だったら倒しようもあるって訳だ」


「だね。反撃開始といこっか!」


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