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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第二章:騒動の夏
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EP34.ゴーレムの眠る町


 夏休みも半分が過ぎ、終わりも見えてきた頃、一つのクエストが入った。

 実に三週間ぶりである。


 結衣乃が開けた扉に入る際、試しに意識を失わないように何となく気を入れてみると意識は失われず、不思議な光の道を通り抜けると、すぐに出口が現れ外に出される。


「おお…、こんな感じだったのか」


「おっ、起きてたんだね剣義」


「まあな。で、ここは…」


 周りを見渡すと、どうやら教会のようだ。


「じゃあ結衣乃、お願い」


「うん。私達を呼んだのはあなた達ですよね。

何があったんですか」


「じ、実はこの街はゴーレムによって壊されてしまう可能性があるのです!」


「ゴーレム?」


 ゴーレムっていうと、岩かなんかで出来たでかい奴か?

 そして俺達を呼び出した人の話を聞いてみると、やはり俺の思い描いたようなゴーレムだった…のだが、また厄介な代物で、大昔に戦争の為の兵器として開発されたらしい。

 で、その兵器として造られたゴーレムは結果として制御できなくなってしまい、最終的には敵国にも自国にも壊滅的な被害をもたらした末に両国の協力によって何とか封印されたらしい。

 光を原動力として動くゴーレムは地底に封印されていたそうだが、つい一月前程に起きた地震で表に出て来てしまい、活動を再開したという訳である。

 そして最も厄介なのは、一体でも町を破壊するには十分な力を持つそのゴーレムは、三体もいるということだ。

 既にこの一ヶ月で八つもの町を破壊しており、とんでもない被害を出している。


「んじゃあ、そのゴーレムを倒せば良い訳だが」


「全く、とんでもない物を生み出してくれたわね」


「兎に角、今ゴーレム達が居るっていう町に行こう」


 結衣乃の魔法を用いてゴーレムの居るという町の近くまでテレポートする。


「聞いたとこによると機械っぽいし、水に弱いとかだと分かりやすくて良いんだけど」


「そう上手くはいかないでしょ」


「だよなぁ…」


 そして少し様子を伺いつつ、町に到着するとそこには荒れ果てた町の姿が。


「これは酷いな」


「家が木っ端微塵だ!」


 そこはもう大災害の後のようになっていた。例えるならそう、台風やら竜巻やらの被害を受けたみたいな感じだ。

 ただ今は夜。光を原動力にするゴーレムは動かなくなっているのか気配は無い。


「んー、そしたら夜明けまで少し時間あるし、剣義は練習してみたら?」


「練習?ああ、あれね」


 さて、練習とは何なのか。簡単に言えば、水属性の魔法のハイドロショックというのがあり、それを習得しようと言う事だ。

 ただ、俺の適性はあまり高くない為、聖剣で扱おうとしているのだが、中々高い威力を出せずにいた。


「はっ!はぁっ!はぁっ!!…ダメか」


 木に当てれば食い込むものの、斬れはしない。

 何か良い方法は無いかと考えてはいるが、上手くいかない。

 少し疲れてきたので程々にして休む事にする。


「…起きて」


「う〜ん…」


「起きて!群星君!」


「んあ?どうした?」


「朝よ。しかも、実は近くにゴーレムが居たみたいなの」


「え!?」


「ほら、あれ見て」


 俺は涼海に起こされ、目を覚ます。そして涼海の指差す方を見ると、そこには10メートルはありそうな鉄の塊で出来た巨人が歩き回っていた。


「…え?あれ?」


「あれ」


「うわ〜、絶対強いやつだ。ま、仕方ねえ、行くか!」


「とは言え、一体ずつ倒すには近過ぎるわね。だからって三体まとめて相手するのは難しいし…」


「確かに、上手く分散して戦った方が良いかもね」


「そうだな。…なら、涼海、結衣乃、俺とリンで三組に分かれて一体ずつでいこう」


「そうね、それしか無いわ」


「アタシもそれで良いぞ」


「良いよー」


 俺の提案に三者三様の返事を返す。


「んじゃ、決まりだな。行くぞ!」


 そして俺達は戦闘態勢に入り、一気にゴーレムの方は突撃する。

 ここに、ゴーレムとの戦いの火蓋が、切って落とされたのだった。


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