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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第二章:騒動の夏
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EP33.釣りに行こう


 さて、皆さんは覚えているだろうか。俺と速野の約束を。

 そう、釣りに行く…と言う約束だ。

 まあ、そんな訳で今俺達は海辺の港に来ている。…何故か、リンと姉貴も来てるが。


 事の発端は俺達が釣りに行くという話をリンにしたら興味を持ったので連れて行くことになり、そしてその事を結衣乃経由で聞いた姉貴…朝日春瑠乃も何故か着いて来ると言い出した。そんな訳で今に至るって訳だな。


「おぉー!これがこっちの(世界の)海か!」


「やっぱりあっちの(国の)海とは違うの?」


「うん。似てるけど、やっぱり雰囲気が違う」


「そうなんだー」


 …ちょっと今焦ったな。幸い、リンは世界、姉貴は国で上手い事会話が成り立ってたけど、もしリンの世界の海が黄色とか紫色とかだったらおかしなことになるところだった。


「ほら、春瑠乃先輩、リンちゃんも、行くぞ」


「「はーい」」


「おう」


 そして、速野オススメのポイントに着くと、早速釣り針に餌をつけ、海に垂らす。

 因みに、今ここにいる四人は全員虫は平気だ。


 姉貴に至ってはかのGを相手にしても動じないほどだ。まあ、汚いから直では触らないけど。

 結衣乃はGが出て来ると絶句してしまうほど驚いてビビるので、姉妹で真逆な部分だな、これは。

涼海はあまり好きではないが、結衣乃程ではないってとこか。


 そして暫く待つと、リンの竿に当たりの感触が。


「これ、どうすれば良いの?」


「あー、ちょっと待ってな。こうして、こうだな」


「おー、ありがと〜。流石ツル」


 速野の教えもあって無事そこそこな大きさの鯵を釣り上げたリン。

 急に姉貴が静かになった事に気付き、ふと横を見やると、そんな二人の様子を何処か不機嫌な様子で眺める姉貴。

 一瞬お気に入りのリンを速野に取られて悔しいとでも思ってるのかと思い、視線を追うと、その先にはリンが。


(あれ?姉貴、リンを見てる?でも、速野に嫉妬してるなら速野を見るはず…もしや)


 とある仮説が浮かび、姉貴に小さな声で話しかける。


「なあ、姉貴」


「何?」


「いやさ、もしかして姉貴って速野の事が好きだったりする?」


「はっ!?ちょっ!??な、何を言って、そんな訳ないでしょ!?」


「そう言うの良いから」


 余りの慌てふためきぶりに俺は疑問を確信に変える。


「成る程なぁ、道理で着いて来たがった訳だ」


「な、何よ。別に良いでしょ」


「いや〜姉貴が恋愛してると思うとね?いつも散々振り回されてきたお返し出来るってもんだよ」


「ちょっ、それは、止めて欲しいかな〜。…と言うか大体剣義だってどうなのよ!結衣乃と涼海、どっちにするかとっとと選びなさいよ!」


「は、はぁ!?そんなの姉貴に関係ない…って言うか何であの二人限定なんだよ!」


「まさかあんた…あの二人以外に仲の良い女子がいる訳!?」


「いやまあリンと姉貴を入れればいるけど。そう言う意味じゃなければいねー。……止めよう。これ不毛だ」


 このままではお互いに良くないと休戦協定を結ぶ。

 そして俺は姉貴に一つ提案する。


「んー、なら、俺はリンの相手をしとくから姉貴は速野と釣りしたら?」


「え?…いや、良いかな、別に」


「え?そうなの?」


「うん。だってリンちゃんとも剣義とも折角だから楽しみたいしね!」


「そっか、なら良いけど」


 それから二時間、俺達は釣りを続けた。

 そしてお昼時、取り敢えず近くにあった定食屋に入る。


「しっかし結局まだ一匹も釣れてないの群星だけだぞ」


「おっかしーな。何でだろ」


「魚に嫌われてんじゃない?」


「んなアホな」


 なんやかんや姉貴も純粋に釣りを楽しんでたみたいだし、良かった良かった。

 因みに、この後俺は一匹も釣れずに他三人は大漁、というオチがつくのだが、それはまた、別の話だ。


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