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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第二章:騒動の夏
30/111

EP30.修行終了


 目を覚ますと、そこには速野がいた。


「よう、本当に一瞬なんだな。あんたらが行ってから5秒もたたずに帰ってきたぞ」


「やっぱりそうなんだな」


「で、どうだったんだ?」


「ああ、上手くいった。取り敢えずは完成だな」


「ああ、あれ凄かったよね。多分、身体能力だったら私よりも上だし、もしかしたらすずちゃんにも匹敵するかも」


 と、先に目を覚ましてたらしい結衣乃が言う。


「ん?結衣乃。目、覚ましてたんだな」


「え?あぁ、違う違う最初っから起きてたよ。私達二人は」


「え?」


「あれ?言ってなかったっけ?別に意識を失わないこともできるんだよ」


「そうなのか!?」


 ここまで来て明かされた衝撃の事実。でもよく考えたら秘密を知ったあの時も普通に出てきてたもんな。


「剣義と行くようになってからは何となく合わせて私達も気を失って帰ってきてたけど、今回はリンもいたから様子見のためにもね」


「成る程なぁ…」


「ま、当のリンさんはまだ寝てるんだけどね」


 そんな事を言いながら涼海が話に入る。


「ま、何でもいいけどさ、俺にも見せてくれよ、その切り札」


「おう、良いぞ」


 俺ももっと試してみたかったところだしな。

 木に狙いをつけ、力を高める。


「聖天星覇斬!」


 一気に踏み込んで魔力を込めた斬撃を繰り出すと、木は両断された。


「おおー、スゲェなこりゃ」


「うーん、その技、結構いいと思うけど、弱点もあるぞ」


「え?リン、起きてたのか」


「まあね」


 突然声を掛けられたので声の方を見ると、リンが。

…でも一体どう言う事だ?


「弱点って?」


「その技は直線にしか進めないって事。回避されたりしたら致命的な隙を作りかねない。

その分威力は最上級だが、使い所は限られる。汎用性とそれなりの威力を併せ持った技も作っておいた方が良いかもな」


「成る程な。……なら、少し試してみたい事があるから力貸してくれないか?」


 リンにそう提案すると、快く引き受けてくれる。


「良いよ!……準備はできた?」


「おぅ、バッチこいよ!」


「なら、死者の(リビングデッド)兵士(・ソルジャー)!」


 5体のゾンビが召喚され、俺に向かってくる。


 それを前にして俺は聖剣に大量の魔力を注ぎ、能力を2倍に引き上げる。


聖天銀河斬(せいてんぎんがざん)!」


 そしてその場で青く輝く斬撃を放ち、横一文字に切り裂くと、5体のゾンビ達は消滅する。


「こんなとこかね」


「成る程、応用ね」


「ああ、星覇斬だったら一直線に突っ込む、つまり移動して放つけど、銀河斬ならその場に留まって魔力で強化した斬撃を放てるからより少ない力で安定した威力を出せる」


 そんな話をしていると、速野が声を掛ける。


「そろそろ帰るか。さて、群星。中々に充実した一週間だったろ?」


「…まあな。ありがとよ。でも一つ言わせろ、お前寝相悪すぎ」


「ははは、そりゃあご愛嬌ってこったな」


 男子と女子で部屋分けされてたんだが、速野の寝相の悪さたるや、この一週間で十回は蹴られ、五回は殴られた。

 ま、それも今日で終わりだ。


 舗装されている道を歩いて山を下り、麓で電車に乗る。


「何だか濃い一週間だったねー」


「ああ、夏休みって感じだな」


 そんな調子で五人で話していると、いつの間にか降りる駅に到着した。


「んじゃあ降りるか」


「うん」


「なあなあ、この夏祭りって何だ?」


 と、駅のホームに貼ってあったポスターを指差してリンが訊ねる。


「ああ、夏祭りは…どう説明すれば良いんだろうな。なんて言うかこう、沢山の人が集まってお店とかを出したり行ったりして楽しむ場って場だな」


「じゃあこのカラフルなのは?」


「それは花火。火薬って言うものを詰めて空に打ち上げると空中で爆発して綺麗な炎を出すの」


「なるほどー」


 どうやら花火に興味を持ったみたいだな。


「…なら、行くか?夏祭り」


「良いの?」


「ああ、どの道行くつもりだったしな」


 そんなこんなで今週末の土曜日に夏祭りに行くことになった。

 何だか今年の夏休みは、賑やかになったな。


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