EP27.新技を作ろう
色々あって聖剣を手に入れた俺は、速野の協力もあって特訓の為に山に来ていた。
今日はその2日目である。リンの話によると、どうやらこの聖剣は進化するものであるらしいので、使いこなせるようにすると同時に、暫くは使い続けなきゃいけない。
一応、剣の力で身体能力にブーストをかけられるし、魔力も以前より強化されているから戦力は上がった。……のは良いが肝心の剣の方がそこまでの威力を出せない。
…この前の一件で、俺としては接近戦は課題だと思っていた。遠近共に扱えさえすれば、恐らく新魔王相手にもより対処しやすかったとも思っているしな。
つまりはまあ、ちょうど良いタイミングだった訳だな。うん。
「まあ、そんな訳で聖剣の力を利用した新技を開発したいんだよな」
「で、思いつかないから案を出せってことか?」
若干呆れ気味に答えるのは速野。…まあ、その通りだ。
「うーん、そしたら無理に新しい技を作るんじゃなくって、今使える魔法と組み合わせてみたら?」
「魔法とか…ありだな。まあ、ものは試しだな。やってみよう」
早速山の木で試し切りをしてみる。
「まずは…氷結魔撃砲からいってみるか。氷の斬撃…よし、はぁっ!」
冷気を纏わせた斬撃を木に叩き込むと、綺麗に両断され、切り口から凍りつく。
「お、なんだか魔力の消費が少ないな。もしかしたら能力強化の影響で魔力が使用時に増幅されてるとかあるのかな」
「成る程なぁ。おー、こっちもキレーに切れて凍ってんな」
「だね、結構完成度高いし、良いんじゃない?…という訳で名付けタイム!」
「よし、何が良いかなぁ」
流石にこの流れにも慣れてきたな。うーん、どんなのにするか…。
できれば氷結魔撃砲とは近いけど少し違うみたいな感じに…。お、これ良さそう。
「よし、決めた。吹雪氷聖斬だ」
「まあ、良さげだな。次は爆炎魔撃砲、だっけ?」
「だな。爆炎魔撃砲なら…業火炎聖斬だな」
名前を決め、さっそく木の前に立つと、聖剣に魔力を注ぎ込み、炎を纏わせる。
「業火炎聖斬!」
木を横一文字に斬ると、切り口が燃え始める。そこで、手を翳して氷結魔撃砲を放って消火する。
「うんうん、良い感じだね」
「最後は氷炎魔撃砲だな。名前は…後でいいか」
「あれ?そんな魔法あったっけ?」
首を傾げながら疑問を口にする涼海。
「言ってなかったな。俺のオリジナル魔法」
「そんなの作ってたんだ、見せてよ」
「良いぜ。よし、氷炎魔撃砲!」
炎と氷の魔力を混ぜ合わせ、一つのエネルギーに変えて、近くの岩に向けて放つ。
直撃すると、岩は木っ端微塵に砕ける。
「へー、二つの属性を混ぜたわけか。良い技だね」
「あぁ、結衣乃のドロップコンボ・インパクトを参考にさせてもらった」
「そうなんだ!役に立ったなら何よりだよ」
「あぁ、サンキュー。よし、そしたら氷炎魔撃砲での斬撃も試すか」
炎と氷のエネルギーを注いだ斬撃を繰り出すと、木は両断された。
…あれ?何も起こらねえ。……あ、そっか、そういうことか。氷と炎が打ち消し合うから──
「…これ、ただのちょっと強い斬撃になってんな。
だったら同じ量の魔力を注ぎ込んだ方が…」
なにか上手い活用法がないかと少し考えて、一つの案が浮かぶ。
「…この方法なら…いけるか?」
「どうしたの?」
「いや、ちょっと思いついてな。この聖剣は、俺の身体能力を上昇させられる」
「そういやそんな能力もあったな」
「なら、その能力の上昇幅を調整して、俺の体が耐えれる限界ギリギリまで一気に力を高めて技を放つ。そうすれば、結構な威力になると思うんだよな」
「…んなことやって大丈夫なのか?」
冷静に速野に突っ込みを入れられる。…まあ、やばそうだったら止めれば良いし、何にせよ、物は試しだ。
「やるだけやってみるわ。…ぐっ!せやっ!」
一気に力を高めらように剣に命じると、凄まじい負荷が体を襲う。
そのまま木に向かって突っ込んで斬撃を放とうとするが、力が強すぎておかしな方向に進んでしまい、吹っ飛ばされる。
「…大丈夫?群星君」
「ああ。…ま、そう簡単にはいかないか」
課題はたくさんあるが、一つ一つ片付けていくほかないだろう。残り5日、やれるとこまでやってみよう。




