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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第二章:騒動の夏
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EP20.単独戦闘


 結衣乃の開けた大穴をドラゴンに乗って一気に昇っていく。


「すげえな、こんな事まで出来んのか」


「まあね、私のオリジナル魔法だから」


「兎に角、これで先へ進めるわね」


 そして、最上階に辿り着き、全員が降り立った。…その瞬間、涼海と結衣乃が消え、急に景色が変わる。


「!?なんだ!??涼海!結衣乃!」


「無駄だな」


 突如として声が聞こえてきた事で驚き、反射的に声のした方を見る。


「…お前は……」


 目の前には2メートル位の男が立っていた。


「私は新魔王。ようこそお客人。どうも君達は厄介だし、あそこまで派手にやられるとは思わなかったからね。一人ずつ丁重にもてなそうと思ったのさ」


 そう言い切った途端、新魔王から凄まじい圧のような、嫌なプレッシャーを感じ、思わず冷や汗が首をつたう。

 …これは、かなり不味いな。涼海と結衣乃がここへ来れるまで、なんとか凌がなきゃならない。

 逃げても恐らく無駄だろうし、やるしかない。魔力を練り上げ、手を突き出す。


「爆炎魔撃砲!!!」


「…危ないなぁ」


 俺の放った火炎弾が新魔王に当たる直前で新魔王が少し離れたところに一瞬で移動する。


「!速い…いや、テレポートか」


 そして、その事実に気付いた瞬間、これまで感じていた違和感の原因に気付く。

 …そうか、奴の能力は物体を移動させる能力。多分、それを使用してたから城の床やら壁やらがどうもチグハグなアンバランスなものになり、何処からか敵が出て来たのも、全部その能力なら説明がつく。

 そして多分、奴の能力には弱点がある。兎に角、検証だ。


「氷結魔撃砲!」


 大きな氷柱を連続で撃ち出して新魔王を狙っていくと、新魔王は案の定自分から動いて攻撃を避けていく。…やっぱりそうだ。

 すると、次の瞬間、景色が動く。


「やってきたな!」


 慌てて床に転がると、後ろだった方向から氷柱が飛んでいき、壁に当たって砕け散る。


「随分と悪趣味な攻撃法だな」


「何のことやら。私は指一本触れてないし、攻撃もしてませんよ?さっきのは君の攻撃でしょう?」


「…そうかい。まあ、その通りっちゃその通りだ。

…なら、こういうのはどうだ?…爆炎魔撃砲!」


 両手から一気に激しい炎を放ち、フロア一面を火の海にする。


「!?…実にクレイジーな技ですね!」


 新魔王は瞬時に別室に移動する。避けたと思っていたが、あまりの熱で服の端が焦げてしまった。


「まあいい、あんな攻撃方法じゃ、あの少年も燃えカスに…。

いや、生きてるな。チッ…厄介なガキめ」


 部屋に生体エネルギーがあることに気付き、思わず眉を顰める。


────


 炎が消えてる事を祈りながら氷の壁に小さめの爆炎魔撃砲を使い、解凍していく。

どうやら大丈夫のようだな。

 炎から身を守る為に周囲に氷のドームを作っていたのだ。

 ここには新魔王はいなくなっていた。…と、思いきや、次の瞬間に少し離れた所へと新魔王がテレポートしてくる。


「やあ、先程は一旦失礼させて貰ったよ」


「氷結魔撃砲」

  

 一気にしゃがんで床に手をつくと、氷の魔法を放つ。

 すると、放射状に氷の棘が生み出され、床を覆い尽くす。


「乱暴だなぁ…」


「そういう性格なんだよ」


 一瞬消えたと思いきや、軽口を叩きながら戻ってくる。

 そして、その行動で確信を持つ。こいつ、恐らく肉弾戦は苦手だ。

 それに、テレポートも地面にある物…正確には地面や壁など、自分に間接的にでも触れている所にある物しか動かせない。

 空中の物も動かせるなら炎も氷も避けるのではなく、別の場所に飛ばせば良い。

 そもそもドラゴンに乗って俺達がやってくるのも妨害すればいい。

 なら、対処法は奴が認識するよりも更に早く肉弾戦に持ち込むか、高火力、広範囲の攻撃で城ごと吹っ飛ばすか、ってとこだけど、残念ながら前者なら涼海、後者なら結衣乃であれば可能だろうが、俺には難しい。

 そして何より、もう魔力が切れそうだ。つまり、状況は今、芳しくないということ。

 なんて色々考えていると、新魔王が突然目の前に出てきて、前蹴りを叩き込んでくる。

 流石に体格差と完全に対応し切れなかったのもあり、吹き飛ばされる。そう感じた次の瞬間、景色が変わる。


「ぐっ…不味い!氷炎魔撃砲!」


 なんとか壁に叩きつけられる直前に、魔法で壁を破壊することに成功し、崩れた壁の奥に転がり込む。

 …氷炎魔撃砲は爆炎魔撃砲と氷結魔撃砲をミックスした俺のオリジナル魔法だ。

炎と氷の力で打ち消し合わせることで、単純な破壊エネルギーとしても活用できる技だ。

 特訓の時に結衣乃の魔法の使い方から着想を得て習得していた。

 …ただ、この魔法…魔力消費が…激しいんだよな…!


 魔力消費による疲れと、ダメージからよろよろしつつなんとか立ち上がろうとする。

 吹き飛ばされた壁の向こうに部屋があったらしい。何とか近くにあった棒のような物を杖代わりにして立ち上がる。

 ん?てかこの棒変な形してんな。妙に綺麗な四角い石に、金属で出来た何かが…刺さってる?それに、この形状はまるで…剣?


「…ふーん、まさか隠し部屋があったなんてね。僕の能力でも検知できない程の隠蔽術がかけられていたのか」


 そんな事を呟きながら新魔王が入ってくる。

 すると、俺が杖代わりにしていた変な物が突然輝き出した。


「え!?な、何だ!?」


 そして俺は、意識を失った。


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