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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第二章:騒動の夏
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EP19.成長した姿


 結衣乃の転移魔法で旧魔王の城へやって来た俺達。

 …古い割にはかなり綺麗な見た目をしている。とても1000年前の建物とは思えない位だ。

 以前初めてのクエストで行った魔王城とはまた違った感じの見た目である。

 人が来る事を想定してないのか、門番は居ない。警戒しつつ城の中へと歩みを進める俺達。


「ん?」


 入ってすぐ、違和感を覚えた。

 なんというか…チグハグなのだ。城の中の造りそのものが。


「…剣義、どうかした?」


「いや、何か変だな。と思って」


「変?何が?」


 涼海はどうやら気付いてないらしい。首を傾げている。


「見ろ、あそこの壁」


 そう言って目の前の壁を指さす。


「…何か照明多くない?」


「そう、三つの照明が不規則にすぐ近くに付いてる。なのにそのすぐ右はしばらく照明が無いから薄暗い」


 どう考えてもアンバランスな付け方である。そして、今度は下を指す。


「それに、この床大理石っぽいけど模様が変だ。明らかに途中で途切れたような、つぎはぎにしたような、そんな感じになっている」


「確かに…でもここは異世界なんだから違うのは仕方ないんじゃない?」


「それもそうなんだけどさ、さっきの教会に関しては俺達の世界のとあまり変わらなかったし、文化自体に大きな違いはない筈だと思ったんだよな」


「ま、考えても仕方ないし先に進もっか」


「…それもそうだな。行こう」


 違和感はあるものの、気にしていても仕方がない。一先ず先へ進むことにした。

 その道中で絨毯のような物が敷いてあったが、この模様もどこかおかしい。

 濃く、強くなっていく違和感に気を取られていた俺は、不意打ちに気付かなかった。

 突如として背後に鎧武者のような魔物が現れ、剣を振り下ろしてきていた。


「剣義!」


「群星君!大丈夫!?」


 カキン、という音と二人の声で漸く敵の存在に気付けた。

 …咄嗟に涼海が防いでくれてなかったら危なかったな。気を取り直して魔力に意識を向ける。


「涼海!助かった、ありがとよ。…でも、そいつは俺がやる」


「いけるの?」


「ああ!」


 鎧武者と押し合いながらの涼海の問いに力強く応える。


「なら、やっちゃって!」


 今こそ成長した姿、見せてやる!そんな想いを込めて魔法を放つ。


「爆炎魔撃砲!」


 手から炎の弾が放たれ、鎧武者のみを的確に燃やす。…成功だな。

 鎧武者が撃破されるのを見届けた結衣乃は興味と感心の入り混じったような声で訊ねる。


「おー、凄いね。いつの間にコントロールできるようになってたの?」


「あのクエスト以来毎日魔力の流れを感じるトレーニングをしてたんだよ。

それに、収納魔法陣の中身出してその中で特訓してたし」


「頑張ってたんだね。それにしても収納魔法陣にそんな使い方があったなんてね」


「まあ、ふと思いついてな。壊れたらどうしようとか思いながら使ってたよ」


 クエストに行ってない間も出来ることは続けてたのだ。…実戦で使うのは初だから緊張したけど。

 その後もどこからか現れる魔物と戦い、先へ進む。


「やっぱりどうも変だぞ?どっから敵が湧いてんだ?」


「うーん、気配はまだまだ感じるけど、どこかまでは…。それに、突然出てくるし、予測がしづらい」


「それだけじゃないよ。ここ、もう二回は通ってるし、さっきから同じ場所を繰り返し歩いてるもの」


「…言われてみればそうだな。見覚えあるぞ、ここ」


 得体の知れない不気味さに、思わず背筋が冷えるのを感じた。


「…新魔王のものと思われる気配は上にある。もういっそのこと天井を突き破って一気に行く?」


「その方が良いかもな、頼めるか?結衣乃」


「まっかせて!…ちょっと下がっててね」


 結衣乃の言う通り少し後ろに下がるのを確認すると、結衣乃は杖に魔力を溜める。


「ブラスティングドラゴ!」


 そう唱えると、杖の先から赤いドラゴンが出てくる。


「わ、これドラゴンか?凄え!」


「そ、まあドラゴンの形をしたの魔力の塊だけど。さ、行って?」


 結衣乃の指示を聞くと、ドラゴンは口からブレスを吐き、天井を破壊する。


「うわっ!」


 思わず吹き飛ばされそうになるが、涼海が少し前に出て影響を減らしてくれる。


「…終わりか?」


「うん、見てみな?」


 そう言われて天井に空いた大穴を覗くと、青空が見えていた。

 …まさか、こんな隠し技まであるなんてね。同じ魔法使いとして結衣乃との大きな差を感じた瞬間だった。


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