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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第二章:騒動の夏
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EP18.夏休みが意外と忙しい話


 夏休みに入って3日、家でゲームしたり、漫画や本を読んだり、録画しといたアニメを見たりと中々に楽しい生活を送っていた。

 今日も今日とて昼過ぎにゲームをしていると、家のチャイムが鳴る。

 取り敢えず出てみると、涼海と結衣乃だった。


「よっ!」


「よう、どうした?何かあったか?」


「うん、新しいクエストが入ったの」


「またか?」


「そう、また」


 さて「また」というのはどういう意味か。答えは簡単。実は夏休みに入った途端、昨日まで2日連続でクエストが入っているのだ。

 …まあ、涼海と結衣乃が速攻で終わらせてるからすぐに帰ってきてはいるが、流石に3日連続になるとは思わなかった。


「じゃ、早速行くか」


「そしたら今回は私が」


 そう言うと涼海は鍵を取り出し、扉を開く。

 そして結衣乃、涼海、俺の順で扉を潜る。

 気がつくと、そこはボロボロの教会のような場所だった。


 …珍しいな、これまでの10回のクエストでは豪華な城だったり、綺麗な教会だったりしてたのに今回は窓ガラスもひびが入ってるし、床も所々に穴が空いている。壁も随分と汚い。

 すると、教会の人と結衣乃が話しているのが目に入り、隣に立っていた涼海に話しかける。


「なあ、今回のクエストってどんな感じなんだ?…何か今まで来た所よりボロいし」


「詳しい事情は今結衣乃が聴いてるけど、私達に対して神様に縋るみたいに大袈裟に泣きついて来た位追い詰められてるのね、多分」


「成る程…それでこんなにボロいのか。確かにここにいる人って皆疲れ果てたような顔してるもんな」


「うん、たまにあるのよね。敵側が強すぎたり、余程厄介な相手だったりした場合、レジスタンスの人達が最後の切り札として異世界から救いの手を呼ぶって事は」


 そんな話をしていると、結衣乃が戻ってくる。


「お待たせー、色々情報貰ったよー。ここじゃなんだし、部屋が余ってるらしいからそこでまずは作戦会議しよ」


 そう言って案内された部屋は案外綺麗だった。…ボロいのは変わらないが、一応のもてなしという事なのだろう。

 そして部屋に置かれている古い木の椅子に腰掛けると、結衣乃はこの世界の情勢について語り出す。


「どうやらこの世界では新魔王というのを名乗ってる奴が3ヶ月前に魔物の軍勢を引き連れて国を襲撃、現在分かってるだけでも27万人が犠牲になったそうよ」


「そんなに大勢を殺せる程強いのか、手駒として使ってる魔物が余程多いのか、はたまたそのどちらもかってのは分かるのか?」


 取り敢えず相手の情報を探ると、結衣乃は首を横に振る。


「ううん、分からない。軍勢自体はここにいる人達はそこそこの数を目撃しただけでそれが全てなのか、もっといるのかも不明。

新魔王に至ってはそう名乗っている敵が軍の総大将で、何人か顔を見たって人もいるけど肝心の能力がさっぱり分からないの」


「…となると少々面倒な相手のようね。因みに今敵は何処にいて、此処は何処なの?」


 確かに、相手の得体の知れなさは黒き霧の時と同等か、それ以上かもしれないな。謎が多すぎる。


「此処は首都から西に行ったかつての首都らしいわ。ま、日本で言う所の京都みたいなとこね。ただ、この街も既に襲撃は受けてて、その後首都から逃れてきた人やこの街と周辺の生き残りが合流してこの場所に流れ着いた。ってとこ」


「成る程。……で結局新魔王ってのは何処にいんだ?」


「それなんだけど、新魔王って名前から思うところない?」


 新魔王…新って事はもしかして──


「旧魔王がいるってことか?」


「そ、おおよそ1000年前に猛威を振るった魔王が存在するの」


 そしてわざわざその話が出てきたってことを鑑みると、一つの結論に行き着く。


「もしかして…その旧魔王に関係する場所にいるのか?」


「そう旧魔王の城。かなりの辺境の地みたいで、人間が行き来するのは殆ど不可能だって。それで手出しも出来ないし困ってたところにこの教会に逃れてきた王族の人が異世界召喚の術式を伝えたようね」


「そうか。…取り敢えず聞くけど、涼海はどうすべきと思う?」


「…そうね、謎も多いし、うじうじしてても仕方ないから速攻が一番良い…かもしれないわ」


「つまりもう一気に突入して倒すってことか?」


「そうなるわね。下手に動いて警戒されて、こっちの手札まで割れるのは避けたいし、行くのが大変な所をわざわざ通る必要は無いわ」


 確かに、それは一理あると思った。


 取り敢えず行動方針は決まったし、新魔王とやらを倒すべく、俺達は結衣乃の空間転移魔法(テレポート)で旧魔王の居城へと向かうのだった。


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