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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
第二章:騒動の夏
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EP17.夏休み計画


 期末試験も終わり、涼海と遊園地に行って早5日、我らが風鳴かざなり高校も終業式の日を迎えていた。

 つまり明日からは夏休み…やっぱテンション上がるわ。

 例え涼海と結衣乃ぐらいしか遊びに行く友達がいない陰キャでも夏休みとは嬉しいものなのだ。

 ガラにもなく少しウキウキしながら教室でスマホを見ていると、誰かに肩を叩かれる。

 何だろうと思い、振り返ると速野がニヤニヤしながら立っていた。


「誰かと思えば速野か。…後何でそんなニヤニヤしてんだ?正直気色悪い」


 「うーん、相変わらず辛辣だねぇ。悲しい」などとほざきながらオーバーにリアクションしてみせる速野。


 …まあ、こいつも(一応)友達か。向こうが自称してるだけだが、流石に無下にするのも可哀想であると思うくらいにはこいつに情が移っているのかもしれない。


「で?何の用だ?」


 取り敢えず用件を訊ねると、速野は戯けたような態度で言う。


「いやさ、夏休みだしどっか遊びに行こうぜ?」


「別に良いが、何処に行くんだ」


「あ?夏休みに行くところって言えば決まってんだろ…海だよ」


「海?海水浴とかバーベキューにでも行くのか?」


 確かに夏っぽいけどいくらなんでもこいつと2人で海になんて行きたくないんだが…。

 とはいえ陽キャグループに突っ込まれるのも御免だな、俺は。…こいつはそう言うところは弁えてる奴だと思ってたんだが…。


「あー、違う違う。釣りだよ釣り、魚釣りに行くんだよ」


「釣り?お前釣りなんかするのか?」


 全然予想と違って驚いた。釣りのイメージ無いけどな。


「まあな、趣味なんだよ。釣り道具無いなら貸すし、どうだ?」


 別に悪くは無いが、一つ疑問があったので取り敢えず解消しておく。


「というか、何で仲の良いグループの奴じゃなくて俺なんだ?」


「え?うーん…あいつらは趣味だって知らないし、何となーくハマんなさそうというか。

興味ないのに誘ってもなぁ…って感じだから。

その点群星はゲーム作りの趣味も知ってるし、案外釣りにハマりそうだし、良いかなって思った訳よ」


「…そういうことか。…陽キャ様も大変なんだな」


「だろ?」


 人と関わる以上はどこかで線引きしなきゃいけないんだろう。


 よっぽど気心知れてる間柄でも無いのなら、致し方のない事ではある。


「…ま、良い。日付は追々決めるってことで良いよな?」


「ああ、問題無い。じゃ、またな!サンキュー!」


 …思いがけず夏休みに予定が入ってしまった。基本は涼海や結衣乃、家族関係以外で予定が入る事なんて小学生以来無かったからな。


 そして通知表も渡され、1学期も無事に終わって帰り道。三人で歩いていると不意に結衣乃が話を始める。


「あのさ、二人とも、今年の夏休みどこ行く?」


「折角だし普段あんまり行かない所が良いんじゃない?」


「つってもよ、普段行かない所って言っても遊園地はこないだ行ったしな」


 涼海の言葉にそう返すと、結衣乃が拗ねたようにしながら言う。


「ま、私は行けなかったけどねー」


「ま、まぁ、それはまた別の機会って事で良いじゃねーか。な?」


「あはは、そうだね〜、今度は絶対三人で行こう!」


 その後もいくつかの案が出てきたがどれもイマイチだな。後思い付くのは……。


「…動物園、とかかねぇ」


 ボソッとほぼ独り言のつもりで言ったようなものだが、結衣乃は聞き逃さなかったらしい。


「おっ!動物園か!確かにここ数年行ってないしありかも!すずちゃんはどう?」


「良いんじゃない?結衣乃、動物好きだし」


「そしたら動物園で決まりかね」


 二人とも乗り気だし今年は動物園になりそうだ。結衣乃の言う通りここ数年行ってないし丁度いいか。

 今年の夏は賑やかになりそうだな。そんな予感を抱えて三人で家路につく。


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