EP101.再び開かれる道
約束の時間となり、俺達はメテスの指定してきた時計台へとやって来ていた。
「やあ、待っていたよ。場所は決まったかい?」
「ああ」
「なら、そこへ向かうとしようか。どこなんだい?」
「……ここだ」
俺はスマホの地図アプリを立ち上げ、メテスに見せる。
「成る程、把握したよ。じゃあ行こう」
そう言ってメテスは人気のない所へ行くと、「パン」と一度手を叩いて空間に裂け目を生み出す。
そして、そこを通り抜けると、俺達は見覚えのある山の中へと辿り着く。
「……そう言えば新顔がいるねえ。君はどこかで…ああ、機械生物の世界の生き残りか」
「覚えてやがったのか…。そうだ。俺はお前に故郷を滅ぼされた…流シュウト。お前は俺達が止める…!」
「流君か。…まあ、やるだけ無駄だとは思うけどね。やれるものならやってみなよ」
メテスは流に気付くと、一瞬の間逡巡し、そして思い出す。流の宣戦布告を受けてもなお、余裕の態度を崩さないメテスに流が鼻を鳴らして会話は終わる。
「さっさと始めましょ。あなたも私も、無限回廊を開きたいという目的は一緒なんだし」
「…そうだね。始めようか」
涼海とメテスは同時に鍵を取り出し、混ぜ合わせると、呪文を詠唱する。
「「“幾多の世界を繋ぐ根源の場所への道よ。資格を得し者の前に今、開かれよ!”」」
混ざり合って白く輝いていた鍵は一際強い光を放ち、やがて光の穴へと姿を変えていく。
それは、二度目となる無限回廊への道が開けたことを意味し、同時に俺達の休戦が終わったことも意味する。
「向こうで相手してあげよう」
「…行かせるか!剣戟流星群!」
「行こう!シュウト!」
「ああ!全身全武装・戦闘機!!」
「雷光展開!…雷光烈打!!」
メテスは無限回廊目掛けて飛行しようとするが、俺はそれを剣戟流星群で阻止し、その隙に戦闘機となった流と魔法の箒に乗ったリンの二人が入り口へ向かう。
一方で剣戟流星群にメテスが阻まれている隙に行き先を涼海は雷光と剣戟流星群を足場としての空中殺法でメテスを叩き落とす。
「そうきたか…」
「お前を結衣乃の所まで行かせるかよ!」
そう言い放ち、剣義は装甲石で現し身の鎧を召喚して身に纏い、涼海は無敵の加護の輝きに雷光を混じらせる。
「いくぞ、涼海!」
「うん、剣義君!」
「ならばこっちも…本気で相手しよう!」
メテスはそう宣言すると、背中から鋭い牙の生えた触手が10数本生え、両手には片刃剣と大盾、身の回りには禍々しい気を帯びた様々な武器を浮かべて圧倒的な威圧感を放つ。
「ふん」
「業火炎聖斬!」
「戦姫の一太刀!」
メテスは触手を伸ばして二人に放つが、剣義は火炎を纏った聖剣で、涼海は無敵の加護の刃で己の道を斬り開き、突き進む。
「氷炎魔撃砲!」
「中々良い威力だねぇ…!」
「ちっ、例によって再生持ちか…」
剣義の放った破壊エネルギーによって肩口を貫かれ、消し飛ばされたメテスだったが、すぐさま傷が塞がっていく。その様を見て、剣義は眉を顰める。
「ははは。強くなったものだね」
「忘れないで頂戴。強くなってるのは…剣義君だけじゃない!閃光の一撃!」
メテスが軽口を叩いていると、涼海は瞬間的な高速移動で接近し、黄金のオーラを纏った横蹴りを放つ。
「凄まじい気迫だねえ。…なら、グラビトス!」
「くっ……!」
メテスは片刃剣に魔力を込めて涼海に叩き込みらそのまま上空へと持ち上げて重力フィールドを展開し、涼海を閉じ込める。
「無敵と言えど強引に強い力で物理的に抑え込まれたら動きは取れないでしょ。やられないだけで。
…さて、今のうちに決めようか。
壊れた時計の静寂」
「!」




