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無限回廊と幼馴染  作者: 名梨野公星
最終章:終幕の春
100/111

EP100.辿り着いた悪魔


 3月に入り、少しずつ寒さも和らいできた頃、俺達は変わらずクエストを熟しながら腕を磨き続けていたが、その間に姉貴の卒業式とか色々あったものの、これといった進展もないまま春休みに突入していた。

 ──だが、運命は確実に終わりに近付いていた。そのことを、俺はすぐに知ることとなる。


「ここ数ヶ月の特訓のお陰で一瞬だけなら発動出来るようになったな」


「けど、一瞬で大丈夫なの?」


「俺の予想が正しければ、タイミングが合いさえすれば一瞬でも問題ない…はず」


「絶妙に不安になる回答ね…」


 俺と涼海は街をブラブラと歩き回りながらそんな会話をしていた。

 バレンタインの一件以来、こうして二人で出掛けることが増えた。


「まあ、いざとなったら涼海が上手くやってくれるだろ?」


「…当たり前でしょ」


「なら問題ないな」


「全くもう…」


 俺の言葉に涼海が呆れたように微笑う。そんな時だった。俺達は異様な気配が現れたことに気付く。


「!今のは…」


「この気配は…?」


「やあご両人。仲睦まじそうで何よりだよ」


「!メテス…?」


「何であなたがここに…!」


「ようやっと見つかったね」


 目の前に忽然と姿を現したメテスに、俺達は一気に臨戦態勢に入る。


「まあまあ。こんなとこで戦ったら君達にも不利益があるんじゃない?」


「!」


「だからさ、3時間後までに決戦の場を君達が決めてあの時計台の下においで」


「…分かった。首洗って待ってろ」


「君達もね」


 メテスはそう言い残すと姿を消す。


──30分後


 俺の家には俺、涼海、リン、流、速野、姉貴が集まっていた。


「…ってわけで、奴と戦える場所が必要なんだよな」


「確かに、あんな化け物級の力を持った奴と私達で戦えば被害は尋常じゃない」


「そこを配慮してくる辺り馬鹿にされてるよね」


「腹立つ奴だが都合は良い。何とか決めないとな」


 俺達が状況説明を終えると、速野が手を挙げる。


「…それなら、俺の爺ちゃん家があった山使うか?あそこなら私有地だから人は勝手に入って来れないようにしてるし、それなりに広いしな」


「成る程。けど、貴斗君はそれ大丈夫なの?」


「まあ…上手く誤魔化しとくよ。だから…勝ってこい!」


 速野の提案のお陰で俺達は戦いの場を決めることは出来た。となれば残った時間で作戦会議といこう。


「当たり前だ。さて、次に大事になるのは作戦だよな」


「そうだね。取り敢えず無限回廊を開くとこまでは休戦になるとして、問題はその後。結衣乃を助けに行きたい私達と、自分の目的を果たすために世界を滅ぼそうとするメテス。衝突は避けられないわね」


「奴は強敵…二つを同時進行させるのは至難の業じゃないか?」


「となるとここは二手に分かれるのが得策かもな。結衣乃の救出と、メテスの足止めで」


「それが一番かな」


 結衣乃救出の際に最も障害となるのはメテスの存在。だが、こっちは四人だ。メテスを抑えつつ、結衣乃を助けに行けば良い。


「メテスの相手をするのに奴の能力の対策が出来る涼海は必須だよな」


「まあ、私はこの中で唯一飛行手段持ってないし、そう言う意味でもね」


「となるともう一人欲しいけど…」


「それは俺が引き受ける」


「群星がか?」


「ああ。俺と涼海に任せて欲しい」


「なら俺とリンで救出か」


「そうなるね。確かに流君と結衣乃は面識が無いから共闘する前に顔合わせくらいはしといた方が良いかも」


 こうして役割分担も決まり、いよいよ決戦が始まる。突然ではあったが、覚悟は出来てる。必ず結衣乃を助け出して、メテスを止める。

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