表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています  作者: 空月
番外

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/75

もしシュターメイア王国にバレンタインがあったら・2



「フィー! 今年もたくさんチョコレートもらったよ! 一緒に食べよう!」


 今年も両手いっぱいどころかいくつもの袋いっぱいにチョコレートをもらったらしい『氷の美貌の騎士様』の異名を持つ友人――ルカが満面の笑みで駆け寄ってきたので、フィオラは軽くため息をついた。


「……今年も私と食べること前提でもらってきたのか」


「うん。女の子たちはどうあれ俺に受け取ってもらえればよかったみたいだったから。フィーは甘いものがたくさん食べられて嬉しい、俺はフィーの嬉しそうな顔が見れて嬉しい。誰も損しないだろう?」


「そう……か……?」


 何か間違っている気がする。気がするが、フィオラはつっこみを放棄した。


「でもちゃんと、フィーにはフィー用のチョコレート用意してきたよ」


「私も一応用意しておいた。日頃世話になってるからな」


 勝手に世話を焼かれていると言ってもいいが、世話になっているのには違いない。


「はい。これ。ホットチョコレート用のパウダーなんだって」


「……珍しいな。お前が私に調理の手間が要るものを渡すのは」


 フィオラに面倒くさがりの側面があるのをルカも知っているので、そういうものを選んできたことにひっかかりのようなものを覚えるフィオラ。


「でも、もらったものなら、フィーは放置してダメにしたりしないだろう? これでホットチョコレートを作るときに、俺のことを思い出してくれると嬉しいな」


「……結構な量、作れそうだが」


「その分俺がいないときでも、フィーが俺のことを思い出してくれるかなって。もちろん自分で作るのが面倒なら、俺を呼んでくれれば俺が作るよ」


 にこにこと純粋な瞳で言っているが、内容はちょっと重いんじゃないか?と思うフィオラ。

 しかし自分を想って選んでくれたものには違いない。

 フィオラはルカの差し出していた瓶を受け取り、代わりに自分の用意したチョコを差し出す。


「お前の用意したものに比べたら面白みはないが……まあ、仕事中の糖分補給にでもしてくれ」


「フィーがくれたものを、そんなもったいない食べ方しないよ。大事に食べさせてもらうから」


「そこまで真剣な顔で言う台詞か? まあ、好きにしろ」


「うん、好きにする。じゃあとりあえず、女の子たちにもらったチョコレート、一緒に食べよう。ホットチョコレートも作ってあげる」


「もらった分には害がないかの確認の魔法もかけないといけないしな」


 そしてルカの大荷物を検品するために移動し、二人は甘いひととき(そのままの意味で)を過ごしたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ