表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ruined TV  作者: ラメアー
1/2

8月14日投稿分並びに前書き

※以下に出てくる人物及び地名等の全ての名称は、プライバシー保護その他の観点から仮名あるいは伏せて表記する。

映像にはハンドルを握った20代前半と思われる茶髪を刈り上げた男性の姿が映し出されている。男性の奥に見える窓ガラスの外からは、草木や岩肌のようなものしか認識できず、かろうじてこの車が今森林を走行していることのみ確認できる。画質も決して良い方ではない。


 「えっとお!今から、X県の○○山の山中…山中でいいのかな?山中にある、廃墟に行きます!イェーイ!!」


画面外からは、男女の笑い声や男性を冷やかす言葉などが聞こえる。この車には三、四人程度の男女が乗っているらしい。男性を撮影しているのは、助手席に乗っている者のようだ。

 

 先ほどの男性が話を続ける。


「何かその廃墟って、昔病院かなんかだったみたいで、今でもそこにお化けが出るって噂が絶えないそうでーす。だから、俺らがそのお化け?幽霊?を退治しに行こうみたいな。そんな感じでーす。」


「いやいや俺らに幽霊が退治できるわけねえっしょ?」


運転中の男性とは違う男の声が聞こえてきた。どうやらこちらの男性が撮影を担当しているらしい。


「何言ってんのユウヤくん、俺ら確かゴーストバスターズって呼ばれてたじゃん。」


「はあ?そんなん呼ばれたことねえし。っていうかタクちゃん運転大丈夫?さっきから変な道走ってるけど、俺が代わろうか?」


「ん。ヘ―キヘーキ!」



「ねえ、別にうちらが来る必要なかったんじゃね?二人だけで来ればよかったじゃん。」

 

 後部座席の方から、これも若い女性の声がする。


「いやいや、ユキちゃんもナツミちゃんもいてこそのこのチャンネルじゃん?男二人だけだと、なんつうか、華がないし。」


「いいじゃないナッちゃん、ぶっちゃけあたしら結構暇してるしさ。」


これも後部座席にいるであろうもう一人の女性が先ほどの女を軽くなだめた。


「…と言ったわけで、このクソ長い山道を登ってる途中なんで、この動画はここで終わり!続きをお楽しみに!」


動画はここで終わっている。

タク ユウヤ ユキ ナツミ


この男女四名のグループが今回の一連の動画、すなわち「Ruined TV」に登場する人物である。

 

 後々の調査の結果、恐らく彼らは同じX県に存在する某大学に通う生徒であるらしいことが分かった。いずれも素行はあまり良い方ではなく、中には留年さえしている者も居た。


 今回の動画は今年の8月14日、おおよそ16時頃に配信がなされた。よって、ほぼ同時刻かそれ以前に撮影が行われたものと思われる。


 今ご覧になって頂いたように、この時点では特段不可解な点は見受けられず、至って普通の動画内容だと言える。明確な異変が現れるのは暫く後のことなので、それまでは少しの辛抱を願いたい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ