四話
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「それで?創造神様はいつ来るんだ?」
「もうすぐのはずじゃ···」
緊張してきた、だってこの世界を作った神様だぜ?
アルテミスと違って身震いしてきた。
「来られたのじゃ!」
天から光が降り注いだ。
その遥か上空から人影が降りてくる。
その人影には大きな白い翼が生えていた。
「綺麗だな···」
(創造神様気合が入ってるのう)
そして翼を持った人は目の前に降り立つ。
光り輝く金色の髪を腰まで伸ばし、そしてその肩には大きな白い翼。
透き通る金色の瞳が特徴的なこの世の者とは思えないほどの絶世の美女だった。
「フラカン様!」
アルテミスが創造神様の前に跪く。
それに気づき、俺も一泊遅れて跪く。
「質問です神薙偉琉さん、貴方は現在の生活に満足していますか?」
満足しているかだって、それはもちろん────
「はい、満足です」
「分かりました、では次の質問です、神の担当を変更することが出来ます、変更しますか?」
「しません、アルテミスは最高の女神です」
「ふむ···ではアルテミスに聞きます、彼の人間性はどうでしょう?」
「はっ!人間性は問題ありません!」
「分かりました、質問は終了です」
何を聞かれるかと思ったけど軽めの事で良かった、緊張したぁ~。
「仕事モードしゅ~りょ~!アルテミスちゃん久しぶりね」
あれ?物凄くキャラが変わったぞ?威厳が下がった様な気がする。
「フラカン様、イルが困惑しておるのです」
「あ、そうだった、私創造神のフラカン、宜しく~」
「あ、はい、宜しくお願いします」
さっきとのギャップが凄いな···
「そうでしょ?さっきのは仕事モード、今はプライベートモード。プライベートモードの時はフラカンさんって読んで良いよ?」
「えっーと、フラカンさん?」
「うんうん、素直な子は好きよ!···貴方達はこの森で自給自足してるみたいだけど、イルはそれで良いの?冒険とかしないの?」
「冒険ですか···アルテミスを危険な目に合わせたくないのでパスですね」
「イル···」
「アルテミスちゃん、随分大切にされているのね~羨ましいわぁ」
「た、大切にされてる!?そ、そうか···」
アルテミスは俯きながら何かを考えているようだ。
「でもアルテミスちゃんは下界では無敵よぉ?女神には下界のモンスターはダメージを与えられないのよ」
「そうなんですか、でも特別なことがない限りここから離れるつもりは無いですね」
「うん、いい子だね、これまで何組も視察してきたけどここまで仲良い組は無かったよ」
「あ、アルテミス様っ!2人で相談したい事があるのですが!」
「ん?何やら面白そうね」
「なら俺は狩りに行ってきます、新しいスキルも試したいですし」
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sideアルテミス
「それで相談したい事何ですが···」
「分かってるわ、イルちゃんの事よね?」
「な、何故それを!」
「だってさっきから貴方イルちゃんの事しか考えて無いもの」
へっ!?さっきから妾がイルの事しか考えてないじゃと!?
···何か恥ずかしいのじゃ
「それでイルちゃんについての相談って何?」
「······最近、イルの事を見てたり考えたりしていると胸の当たりがドキドキしたり締め付けられたりするんです。
1回添い寝をする機会があったのですがその日は目の前にイル顔が···イルの匂いが···もうすっごくドキドキしてその日は寝れませんでした。···とにかくこのモヤモヤする感じは何なのでしょう?」
(この娘、既に落ちてるわね、恋って自覚は無いようだけど)
「アルテミスちゃんはイルと離れたくないの?」
「そ、それは···一緒にいるのは楽しいです···出来れば···離れたくないかもです」
あぁ···何でこんな気持ちになるのじゃ!
離れたくない!一緒にいたい!
「もうズバリ言うとそれは『恋』ね」
────え?
恋?恋って妾が!?
そ、そんなのあり得ない···
···でも、もっと一緒にいたい、イルの事を知りたい、イルの特別になりたい────
···そうか妾はイルに恋をしていたのか···なんとも恥ずかしい話であるが、悪い気はしない。
むしろ気持ちいい、妾自身の気持ちに気付けたのだからの。
────そうか、そうじゃったのか
再度自分の気持ちを確かめる、あぁ、やっぱりこの気持ちは本物だ。
「ふふ、やっと気づいたみたいね」
「···はい、妾はイルにこ、恋をしていたみたいです」
改めて口に出すと恥ずかしい、顔から火が出る様だ。
「ふふ、早くイルを落とさないと私が貰っちゃうから~、彼、いい男だ「それは駄目なのじゃ!」」
はっ!?つい叫んでしまった、創造神様に向かってタメ口を···
「も、申し訳ありません!」
「いいのよ、思わず口が出ちゃうほど取られたく無いのね、ふふ、私はアルテミスちゃんの事応援するわね」
「は、はいぃ~」
(まぁイルちゃんも既に落ちてそうだけどね)
全てを見透かしているフラカンだった。
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sideイル
狩りから帰ってみると小屋の中のイスで2人は話していた。
「あ、おかえり~イルちゃん~」
「お、おかえりなのじゃ」
イルちゃん!?
···?アルテミスの顔が赤いぞ?大丈夫か?
「大丈夫じゃ、も、問題無い」
「いや、顔が凄く赤いぞ?熱でもあるのか?」
俺はアルテミスに近づく。
そしてアルテミスの顔を覗き込んだ。
「ふぇっ!?」
「ほら、やっぱり熱いじゃないか、女神でも風邪を引くのか?」
イルはアルテミスのおでこに触れながらそう言った。
「あああぅぅぅぅ···ぷしゅ~」
アルテミスは頭から煙を出したかと思えばその場に倒れてしまった。
「アルテミス!?大丈夫か!?」
(この子達、これから大丈夫かしら、好きあってるのは確実なんだけどねぇ)
「フラカン様!アルテミスは!」
「あぁ、アルテミスちゃんは気絶してるだけだから大丈夫よぉ、そのうち起きるわ、それより貴方に話したいことがあるのよ」
「話したいこと···?」
なんだろう、アルテミス抜きで個人的に話ってなんだ?
「イルちゃん、アルテミスちゃんの事好きでしょう」
「!!!?」
ファッ!?そ、それは·········否定は出来ない。
「そうねぇ、ならアルテミスちゃんが他の誰かに取られちゃったらどう思う?」
······それは···嫌かもしれない。
······いや、絶対嫌だ。
「そうねぇ、薄々感ずいてるでしょ?自分自身の気持ちに」
「···そうですね、確かに俺はアルテミスに惹かれています」
これは紛れもない事実だ。
アルテミスを他の誰にも渡したくない、もっと一緒にいたいと前から思っていた。
「なら、誰かに取られる前に自分の物にしちゃいなさい」
「それは···アルテミスは俺の事どう思ってるか分からないですし···」
「大丈夫よ、創造神の私が保証するわ、貴方達お似合いだもの」
「そう···ですかね」
創造神様のお墨付き···?
創造神様はアルテミスが俺の事を好きだと思ってるのか?
···そうだったら良いなぁ。
「ふふ、やっぱり貴方いい子ねぇ···うん!特別にスキルを上げるわ!イルちゃんとアルテミスちゃんのこれからを願ってね!」
ピコーン♪【スキル 思考加速(Lv.5) を獲得しました】
ピコーン♪【創造神の加護 を獲得しました】
ピコーン♪【称号 創造神に愛されし者 を獲得しました】
『スキル詳細』
思考加速(Lv.5)
思考を加速させ、体感時間を増大させる。
このスキルは意識すると発動できる。
Lv.1では効果は無いがLv.2になると2倍、Lv.3になると3倍と順に上がっていく。(現在5倍)
『加護詳細』
創造神の加護
創造神に認められた証。
他の女神と違い、能力を向上させることが出来る。
元のステータスの半分の値を増加させる。
『称号詳細』
創造神に愛されし者
創造神に加護を貰った証。
病気に掛からなくなる。
神薙偉琉 17歳
sex male
Lv.50
体力:1760(800+560+400)
力:1760(800+560+400)
防御力:1760(800+560+400)
敏捷:1760(800+560+400)
運:32(15+10+7)
魔力:1760(800+560+400)
【スキル】
《弓矢創造》《狙う者》
《鑑定(Lv.6)》《異空庫》《分解》《異世界語》《?????》
《愛の力(Lv.7)》《思考加速(Lv.5)》
【加護】
弓の女神の加護・創造神の加護
【称号】
異世界人・女神に愛された者・狩人の達人・創造神に愛されし者
「貴方にならアルテミスちゃんを任せられるわ···お願いね」
「任せて下さい!」
アルテミスは何としても守る、モンスターからダメージを負うことは無くても、精神的なダメージを負うかもしれないしな。
絶対に傷つけさせない。
「ふふ、早く告白しゃうのよぉ、次来る時にいい知らせを待ってるわ」
「···分かりました、明日にでも告白します」
「そ、それは早すぎるんじゃないかしら」
「善は急げと言いますし、この気持ちが冷めないうちに伝えたいんです」
「そうね、成功を祈ってるわ」
こんなにもアルテミスが好きだったと自覚すると顔が赤くなってくる。
くそっ、断られても何度でもアプローチしてやるからな、これからアルテミスと俺は何年も一緒にいるだからな、何度もアプローチしたら結果も変わるかもしれないだろう。
(そんな心配は無いのだけどねぇ、ふふっ可愛いわねぇ)
一人2人の気持ちを知っているフラカンはこれからの2人の関係に期待を寄せていた。
「じゃあそろそろ私は帰るわね?2人の邪魔はしたくないもの」
「はい!色々とありがとうございました!···次はいつ視察に来られるのですか?」
「うーん?この感じだと1ヶ月後ぐらいかしらね、他の転移者も視察に行かなければ行けないから」
「分かりました、お待ちしてます!」
「ふふっ頑張って告白するのよ···」
「はい!」
会話を終えた瞬間、フラカンの姿は消滅してしまった。
色々と凄い人だったな。
流石創造神様だ、心から尊敬出来るな。
とりあえず、アルテミスをベットに運んで······と、OK。
·········明日、告白する予定だけど、なんて言って告白しようか?
『毎日俺に味噌汁を作ってください!』
これはダメだな、俺、毎日アルテミスに飯作って貰ってるし。
『月が綺麗ですね』
アルテミスが日本由来の告白を知っているか分からないから却下。
『貴方が好きです』
これが1番シンプルで気持ちが直接伝わるかな···?
告白の言葉に迷うイルだった。
次回告白編
次回の砂糖力は53万です···
『女神の恋人』という作品を同時投稿しています!宜しかったからそちらもご確認ください!
女神の恋人
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