八話、教え
悠人は一応イケメンです笑
「起立っ、礼。さようなら」
「「「さようなら」」」
6限目が終わると俺たちは一斉に帰る用意をするとあっという間に放課後になり今の俺は学校指定のリュックを背負うとしていた。
俺の今からの予定は部活の陸上部に行って6時まで活動をして、その後6時10分ぐらいから資料室で先生の勉強の教え。まぁ立場が思い切り逆だが俺がしたいんだからいいだろう。
本当は生徒は6時以降は居ては行けないんらしいのだが先生が特別にOKしてくれたのでそんな時間になったという…俺が言うのもなんだが、結構適当よなあの人。
「悠人、さっさと着替えてハードルとか出しといてくんない?」
「はぁ?何で俺が。お前部長なんだからしろよ」
「副部長もたまには役にたったら?それに私、女なの。女って言ったら当然着替えが遅いわけ。という事で悪いわね」
「おい、俺一度と良いとは言ってねえぞ」
「ったく、あんたマジでウザい」
「お前の方がウゼェよ!」
そりゃ俺も副部長だからたまには?しなくちゃいけねぇんだろうけどさ、頼み方ってのがあるだろ。あいつは人に頼み事をする時の口調とか親や先生に教えてもらわなかったのか。年上の人にはやけに敬語使うくせに。
「でどうすんの?やってくれるんならさっさとしてくれない?」
「わぁーったよ。すりゃいいんだろすりゃあ?」
「それでいいのよ!流石は北原君!」
「その言い方だけは止めろ。吐く」
「あ〜ごめん…私も同じ」
だったらその前に言うなよ、それと吐くなよ?俺お前が吐いたりとかしちまっても流石にそれは俺も無理だからさ。自分のでも見ちまうと無理だっていうのに。
「そうかよ。じゃあ俺は先に行っておくぜ。あその代わりお前帰りは一人で頼むな」
「うん分かっ…ってちょっと待ちなさいよ!そんな事私言ってなーー」
「頼むな恵梨香!それじゃまた!」
「あっ、待ちなさいよ!?」
ラッキー!
これで先生に教える時間が増えるしあいつに少しでも恨みを返してやった。
俺があいつにどれだけ嫌味を持ってることか、少なくとも100個は言えるぞ絶対に。
俺は早歩きしながら更衣室に行って着替えを始める。と言っても中にきてるので制服を脱ぐだけだが。
ベルトや服をロッカーの中に放り投げて少し早めに来たので一人しかいない更衣室を出て少し自分が立ってる隣のもう一個の更衣室を何故か見つめてしまう。
あ、これは別に変な意味で見てるとかそういうわけじゃねえから。多分!それに隣だと何故か見てしまう事ってないか?だって今の状況がそれだからさ。
「て、ずっと見てると俺ただの変態だな…さっさと準備しに行こ」
俺は両端にあるズボンのポケットに手を突っ込んで階段を降りて靴箱からスリッパを脱いで運動靴に履き替える。
少し体を下ろして靴紐を結んで陸上部と書いてあるロッカーに手を伸ばして今日するハードルをみんなが直ぐに取れやすいような場所に一人で置きながらやっていくとだんだん一年や二年が来てハードルを運んでくれる。
これ快感だな。
「あの北原先輩っ、ここに置いてあるハードル後一個なんすけど後三つ必要なんでここまでまた運んでもらってもいいですか?」
「ん?ああ、悪い。ちょっと待っててくれ」
「すいません、ありがとうございます」
同じ陸上部の後輩は話が終わると丁寧に礼をして俺を待つ。ヤバッ、すんげぇ賢い。
俺がハードルを三つ運ぶとみんな一斉に来て三つのハードルを黙々を運んでいく。
勿論三年の奴らを除いてだが。
「悠人〜!ごめんお疲れさんー!」
後は葛城遥先生と橋本恵梨香はとても美人という設定です。