きょうだいげんか?
「ここに帰ってくるのも2年ぶりか・・・」
フード付きのマントを纏った男は言った。
その言葉を遮る様に鎧を着た男が話しかける。
side 上級兵長 アルト
「王宮に何かご用ですか? ここは許可無きものは近づいてはいけない事になっているんですが」
顔を隠すように覆ったフード、ここに入ろうとする愚かな人間は居ないと思うが。
「フフフ」
不気味に笑う男に底知れぬ危機感を覚え、首筋に剣を向ける。
「フードを取って顔を見せてもらいましょう」
side 不審者?
「フードを取って顔を見せてもらいましょう」
やれやれ、2年もココに来ないと忘れられるか。
もしかして存在ごと忘れられてたりして・・・・ないよな?
「はいはい分かったから剣どかしてくれる アルト上級兵長?」
やっぱり俺のこと忘れてるな。
「国王に伝えろ次男 ルークが帰って来たとな」
side国王
「国王陛下!! 一大事です」
静かな執務室に響くこの親衛隊の声
「静かにせよ いったい何ごとじゃ」
一括すると、親衛隊は一拍おいて答え始めた
「第2王位継承者のルーク王子と名乗るものが現れました」
執務室は静まりかえり、ただ親衛隊の呼吸の音だけがこだまする。
静寂を破るかのように王が言葉を発した。
「その話は本当か?」
動揺を隠しきれない様子で真意を確かめる。
「はい 私も確認に行きましたが 体格や髪形などは変わっていましたが雰囲気はルーク王子のものでした」
再び、静寂が空間を支配する
「視察に出ているジークとリーナを呼び戻せ」
「第1王子と第1王女をですか」
「あぁ大至急だ」
「了解しました」
親衛隊が去った執務室にため息だけが響く。
「バカ息子が・・・」
side バカ息子
「はぁ・・・誤算だったまだ王位継承の儀が終わってなかったのか」
あの儀式が嫌で家出したのに
「・・・また逃げよう」
そっとドアを開けて左右を確認する
「右よし!!」
次だ
「左アネ!!」
右だな
右に逃げると笑顔のお姉さまが降臨していらっしゃった。
さっきまで左になかった?
「どこに行くんですか?」
右手には、大の大人ほどもある大刀を、あたかも木の枝を持つかのように握っていた
「いや…あの…お花摘みに」
「お前は、乙女かルーク」
命を刈り取らんと迫ってくる大刀を紙一重でかわして左に逃げる
「逃がさんよルーク」
兄ジークが某魔法少女もびっくりの魔砲撃を放つなの
「ちょっ それ当たったら逝くから確実に」
右も左もダメなら前行きますか
{土操術 第01章 12式 憤土}
正面の石造りの壁が消し飛ぶ
「「逃げるなルーク」」
「いいや逃げ切って見せる」