オナラをするおばあさんの話⓶
オナラをするおばあさんの話⓶
おばあさんは子どもたちにゴボウを一本ずつあげて、また歩き出しました。だんだんとお日様の力が強くなり、汗がにじんできます。おばあさんはちょっとだけ疲れたので、甘いものを食べたくなりました。左のポッケからサツマイモを取り出すと、口をいっぱいに開けて頬張ります。サツマイモのホクホクした甘みが、顔から手から足の指先まで、おばあさんの身体じゅうに沁み込んでいきます。しばらくすると、疲れといっしょに、おばあさんのお尻からまた、ぷっぷっぷっとオナラが出ました。
すると、何ということでしょう‼
おばあさんの歩いた跡のほんわかした土はみるみる黄金のヒマワリ畑になっていきます。あっという間に、虫や鳥たちが集まってきました。ひらひらと蝶が舞っています。子どもたちは大喜びです。たくさんの大きなヒマワリの花に囲まれてかくれんぼをして遊んでいます。
おばあさんは子供たちにサツマイモをひとつずつあげると、また歩き出しました。
でも道はここまで、ここから先は森です。しかも、ほとんどの木が立ち枯れています。
森の入り口には「この先入るべからず」と書かれた看板が立っています。でも、おばあさんはかまわずに進みました。この森を抜けないとふるさとに帰れないからです。森を抜けたほんの先に、おばあさんの牧場があります。牛やニワトリたちはどうしていることでしょう。草がなくなるまでには帰れるからと言われたのに、もう何回冬を越したことでしょう。毎晩のように牛やニワトリたちが夢に出てきて、いつ帰って来るのかって甘えてきました。でも、まだ帰っちゃいけないと言われて、いつも見張られているのです。そしてやっと今日、子どもたちと遊びに行くと言って仮住まいの家を出ました。嘘をついたわけではありません。牛やニワトリたちの元気な姿を見たら戻るつもりですから。